横浜市はコロナ禍による消費落ち込みへの対応策として商店街独自のプレミアム付商品券発行に助成金を出す支援事業を2021年度に行う予定だ。事業費は8500万円で21年度予算案に計上した。過去の同様の商品券発行では、売上増につながったという調査もあり、商店街からは期待の声が聞かれる。
予算案によると、商品券を独自に発行する商店街に対し、プレミアム分として最大200万円、商品券の印刷などの事務費の4分の3、最大50万円を助成する。電子商品券の場合はプレミアム分300万円とシステム使用料などを100万円まで助成。コロナ禍の新しい生活様式として進むキャッシュレスサービスを促進するため、電子券の助成限度を紙券より高く設定した。いずれも、プレミアム分は全額助成し、紙券分は18件、電子券は10件の枠を設ける。
商店街のプレミアム付商品券は今年度、県が最大100万円を補助する事業を行い、市内9商店街を含む17商店街が参加。このうち、南区の横浜橋通商店街は昨年11、12月に5千円で6500円分使用できる券を1千冊販売。2度の販売日にいずれも完売した。商店街は「年末の書き入れ時と重なり、お客様にも店にも喜ばれた」という。
売上増に期待
市は15年に約1万1千店で使える1万2千円分の商品券を1万円で96万冊販売。1千円分は商店街のみで使用できるようにし、利用額全体の4分の1が商店街で使われた。この時、調査に応じた商店街店舗の半数以上が「売上増加に効果があった」と回答した。
来年度予定する商品券発行助成は市の厳しい財政状況もあり、希望する商店街に絞っての支援となったが、市経済局の担当者は「商店街ごとに発行することで、地域のニーズに合わせることができる」としている。
県の補助事業で商品券を発行した商店街からは「助成額が大きければ、参加したい」との声が出ている。別の商店街は「事務費の一部は自己負担となるので、慎重に検討したい」と話す。
市は予算案が成立すれば、4月中に参加商店街の募集を始める意向だ。
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