年頭にあたり、本紙では日比野政芳区長に2021年の振り返りや今後の事業展望について聞いた。区長は、新型コロナウイルス感染症の影響下でも区民とのつながりを感じた1年だったと語り、引き続き地域活動の支援や自助・共助に向けた取り組みを充実させたいと語った。(聞き手/神奈川区編集室編集長・松田亮介)
区民まつり、初のオンライン開催
――昨年はどのような年でしたか。
「新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中でも、地域の皆さまとの関わりの中で明るい兆しを感じることができた1年でした。中でも、例年反町公園で行っている『区民まつり』を初めてオンラインで開催したことが印象的です。区内の様々な団体が参加し、にぎやかなイベントとなりました。昨年度は開催を断念した行事も多くありましたが、今年度は非接触などの工夫をしながら新たな形で実施できるようになり、手応えを感じるとともに地域の皆さまとつながることの大切さを改めて実感しました」
――ワクチンの集団接種という大きな出来事もありました。
「区内では、神奈川公会堂や菅田地区センターなどで昨年5月から10月まで集団接種を実施しました。区内の多くの医療機関では個別接種を実施していただき、神奈川区の2回目接種率は85・1%(2021年12月21日時点)となっています。多くの方々のご協力に感謝しています」
防災対策に力
――昨年は入江川第二派川に水位計が設置されるなど、防災対策に力を入れた1年でした。
「横浜市の水防災システムに連携させることで水位情報をリアルタイムに把握できるようになり、区民の皆さまに適切な避難情報を提供することが可能になりました。また、発災後にスムーズな地域防災拠点の活動が行えるよう運営委員向けの防災講座も行い、白幡、三ツ沢小学校と錦台、浦島丘、菅田中学校では運営マニュアル改訂を支援したほか、区内9カ所の備蓄庫の修繕なども実施しました」
――子育て・高齢者支援の成果は。
「子育て支援では、入江・新子安地域に新しい地域子育て支援拠点『かなーちえサテライト』を開設しました。高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、フレイル予防を視野に入れた介護予防にも取り組み、介護予防出張講座の「体力測定de健康アップ講座」は19回の実施で349人の方が参加されました」
――今年取り組む事業について教えてください。
「地域防災拠点の機能強化を一層進めるほか、特殊詐欺の被害防止に警察と連携しながら取り組みます。また、長引くコロナ禍の中では子育てや高齢者支援を一層充実させることが必要だと感じています。安心して子育てができる環境づくりを通して支援の輪を広げ、高齢者のフレイル予防に向けた様々な事業にも取り組んでいきます。
――第4期となる地域福祉保健計画の策定が進んでいます。
「『かながわ支え愛プラン(第4期神奈川区地域福祉保健計画)』は3月までに完成し、ホームページへの掲載や区役所、地域ケアプラザ、地区センター、図書館など区内の公共施設で配布する予定です。かながわ支え愛プランは、区民の皆さまからも多くのご意見をいただき出来上がった計画です。地域活動が再開される中で、『誰もが住み慣れた地域で健やかに安心して暮らせるまち』になるよう、区民の皆さまと一緒に計画を進めていきます」
地域活動の再開支援
――ウィズコロナに向けた施策も求められる1年となります。
「昨年夏の第5波では、新型コロナウイルス感染症によって自宅療養者が多数発生したことを踏まえ、横浜市でも入院病床数の確保を進めています。さらに神奈川区では、昨年末から神奈川区医師会にもご協力いただき、自宅療養中に医師の体調確認が必要となる患者に対して、電話などによる診療を行う事業を開始して療養中のサポート体制を整えています。感染防止対策を講じながら市民活動・経済活動を回復させるため、外出自粛などを起因とするフレイル防止に向けた介護予防講座や啓発、制限されていた地域活動の再開支援や活動を支える担い手の育成、経済活動促進に向けた商店街振興などに取り組みます」
――区民へのメッセージを。
「3回目のワクチン接種をスムーズに進めるための環境づくり、区医師会などとの協力による医療提供体制の充実を図ります。また、手続きやイベントのデジタル化など、行政サービスの質を落とさず利便性を向上させる工夫も欠かせません。区民の皆さまの命と暮らしを守りながら、地域活動や経済活動を回復することを目指して、安心で温かい元気なまちづくりを区役所一丸となって進めていきます」
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