震災の教訓いかせ 3・11からまもなく1年
東日本太平洋岸一体に甚大な被害をもたらした東日本大震災から1年が経とうとしている。
被災地では、今なお多くの人が避難生活を余儀なくされ、復興への長い道のりも始まったばかりだ。
一方、宮前区内でも震災を教訓にした動きや変化が見えてきた。震災当日を振り返りながら、課題や万一への備え、区内の被災地支援の動きなどを紹介する。
午後2時46分に発生した地震で、区内でも震度5弱を観測。大きな事故やケガ人はなかったものの、直後から大規模な停電が発生。区役所では和田秀樹区長以下、職員全員が残り、被害状況の把握や市民館・区役所に自主避難してきた住民約80人の為にロビーを開放して対応した。帰宅困難者が宮崎台駅に60人いるとの情報で、一時は宮崎小を開放したが、23時59分に田園都市線が復旧した。
防災意識の高まり
宮前区が、今年1月20日に実施した「防災フェア」の参加者アンケートによると、「家庭で水や食糧を備蓄している」人は全体の83%にのぼった。また「自分の地域の避難所を知っている」人も94%と高い認知度を示した。
震災によって改めて見直されたのが地域力。宮前区まちづくり協議会が発行する季刊「防災ニュース」では震災以降、6月号で「明かりと飲み水の確保」、9月号で「備蓄」、12月号では「自主防災組織」について取り上げてきた。町会・自治会など76の自主防災組織で構成される宮前区防災組織連絡協議会の宇賀神泰志会長は「各組織で実施している訓練参加者が増えており、区民の意識は確実に高まっている。一方で組織によって意識や進捗にバラツキもある。今後はより主体的な防災組織の運営をしていってほしい」と期待する。また、震災以降、自治会、町内会への加入問合せが増えているといい、消防団も「地域の消防団に対する意識も変化している」(永井輝政団長)と、災害時の地域力と絆の大切さを再認識した。
宿泊型の訓練も
川崎市では現在、「地域防災計画」の見直しを進めている。24年度には、公共施設や古い自治会・町内会の耐震化も盛り込まれた。また宮前区では来年度、避難所を想定した宿泊型の訓練を計画。
和田区長は「実践的な防災訓練を地域と行政が一体となって実施することで、課題の抽出・検証を行い、各種防災マニュアルの見直しや地域防災活動の強化を図っていきたい」として、地域と行政の絆の大切さを生かした区政の推進を考えている。
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4月26日
4月19日