新元号「令和」の典拠となった万葉集。溝口(高津区)にある川崎市地名資料室は、新元号を記念し、万葉集に登場する古代の地名や古代の川崎に関する書籍・資料などの特別コーナーを5月31日まで設置している。
今回展示するのは、「万葉集」や「埋もれた万葉の地名」など、万葉集に登場する地名の専門書、一般図書、川崎市の古代史に関する書籍、調査報告など49点。
万葉集とは、奈良時代に成立した日本で現存する最古の歌集。約400年にわたり全国各地、各階層の人の歌約4500首が収められる。市文化財課の調べでは、万葉集に収録される歌の中で古代川崎の地名に関連する歌は3首。武蔵国橘樹郡(現川崎市)の防人(古代九州の重要地点の防衛にあたった兵士)の夫婦の歌、多摩川を題材にした歌などがある。
万葉集が成立した時代、現在の川崎市には「武蔵国橘樹郡」が存在していた。特に野川(宮前区)と千年(高津区)地域は、橘樹郡の役所跡「橘樹郡衙跡」と古代寺院「影向寺遺跡」があり、政治・経済・文化の中心地として栄えた。「橘樹郡衙跡」と「影向寺遺跡」は「橘樹官衙遺跡群」として2015年、国史跡に指定されている。
特別展示には、千年、子母口の史跡を巡る「高津てくてくマップ」のリーフレットなども用意されている。市文化財課は「『令和』の由来となった万葉集の時代の古代川崎に思いを馳せ、地域を巡ってほしい」と話す。
展示は5月31日まで。開室時間は午前9時から午後4時30分。
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