コロナ禍でしばらく途絶えていましたが、川崎市の友好都市である韓国・富川(プチョン)市民との交流を目的としたツアーを再開しました。今回は日本と韓国の歴史を振り返り、女性の政治参加の向上という両国の共通課題を探ることをテーマとしました。参加者は、12人。市民交流会のメンバーの他に市民活動家、他市の市議会議員など多彩なメンバーが集まりました。
7月20日に出発し、趙甬翼(チョウ・ヨンイク)市長への表敬訪問の後、韓国の民主化にあたって労働運動、生活協同組合などで活動され、富川市議、国会議員を勤められた崔順永(チェ・スニョン)さんから韓国における女性の政治参加について講演をいただきました。日韓ともに、女性の社会的地位は先進国の中で低くなっていますが、その向上に向けての韓国の取り組みの実体験を交えて話されました。その後、富川市民交流会との久しぶりの懇談になり、これまでの交流の最大の功労者である故飯塚正良前市議を偲びながら、今後の交流の在り方を話し合いました。
翌日は、富川市内の生涯学習について学び、さまざまな市民運動を展開する富川市民聯合(れんごう)と意見交換し、本庁舎前で新しく建設されたアートセンターを見学。ミューザに似たコンサートホールが素敵でした。3日目には、1910年の日韓併合に前後して起こった東学農民革命、3・1独立運動の中心地の天安(チョナン)市へ。独立記念館や柳寛順(ユ・グァンスン)烈士記念館を訪ね、アヒナム教会で関東大震災時の朝鮮人虐殺資料館を見学しました。
4日目は、ソウルの植民地歴史博物館、富川市に戻りパール・バック財団記念館、旧清掃工場を利用した現代アート館を見学し、帰途につきました。
盛りだくさんの内容でしたが、特に、韓国で福島原発汚染水の海洋処理、今年100年目を迎える関東大震災虐殺事件への関心が高いことが日本での報道とは違った印象が残りました。
今後も、「過去を変えずに、未来を変えよう」を基本に、富川市民をはじめとした市民活動団体との交流を進めていきたいと思います。