▽区内最大級のイベント・宮前区民祭が10月21日に区役所一帯で開かれた。主催者によると約4万6千人が来場。市民団体や企業など60以上のブースが出店し、活動をアピールした。なぜ川崎市は「さぎぬまプロジェクト」の情報発信に活用しなかったのか。
▽民間の再開発が予定されている鷺沼駅前に、どのような「公共機能」が望まれるのか。区役所、市民館、図書館などの移転の可能性を含め、市と区民がともに検討する。これが「さぎぬまプロジェクト」である。今年5月からスタートし、アンケート調査、公募区民50人によるワークショップ、フォーラムを11月まで実施。来年2月に基本方針案を発表する予定だ。
▽6月に実施したアンケート調査は、宮前区在住の18歳以上を対象に、無作為抽出した2000人に行った。有効回収数は1057件。「鷺沼駅前で民間事業者による再開発計画が検討されていることを知っていましたか」との設問への回答は「区域や内容まで知っていた」10%(106件)、「よく知らないが、聞いたことがあった」43・8%(463件)、「知らなかった」45・8%(484件)。区役所など移転の可能性を含め、周知はどれだけ進んだのだろうか。
▽ワークショップ全4回の最終回が10月27日に開かれた。「検討の進め方」について討議したグループは「区民への周知100%を目指すべき」と情報発信の重要性や継続的な実施を求めた。
▽区企画課は「区民祭にブースを出す余地がなかった」としているが、果たして努力したと言えるのか。5万人近くの区民に周知する機会を逸したのだ。後悔しても「後の祭り」だ。各種団体への説明に奔走する姿勢は十分に評価できる。それだけに、一般市民に周知する努力も怠ってほしくない。宮前区全体の未来を考える機会なのだ。
▽区役所移転となれば、宮前区の歴史に残る一大事業であろう。区民が「知らなかった」ではすまされない。区民意見を市の方針に反映するには年内がリミットか。検討期間はわずか半年。不断の努力を続けてほしい。
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