多摩区菅地区を中心に栽培される伝統野菜「のらぼう菜」の新品種が農林水産省に2月、品種登録された。市農業技術支援センター(菅仙谷)が10年以上の研究を重ねて育成したもので、農産物としての登録は神奈川県の市町村で初。市内農家への普及も視野に、市は農業活性化につなげたい考えだ。
「川崎市農技1号」の名称で登録された新品種は、アブラナ科に属する「のらぼう菜」から生まれたナバナの一種。従来のものに比べて、葉や茎にツヤと光沢があるのが特徴だという。
のらぼう菜の収穫期や収量について2006年から調査を始めた同センターで、職員の古山和弘さん(51)が葉に光沢のある苗に着目し、育成を開始。自家受粉で種子を採取しながら改良を重ねた結果、形質が安定したため、2年前に品種登録を出願していた。
新品種について、古山さんは「のらぼう菜と同様、糖度は7から8度くらいで甘みがある。光沢があり束ねたときに見栄えがいい」と説明する。市は今後、試食会などを経て愛称を決める方針。同センターでは来季2月以降の収穫開始に向けて新品種を育成し、市内農家に種子や苗を配布したいとしている。「ここ(川崎)でしか買えない野菜になれば新しい価値になり得る。市内で頑張っている生産者の後押しになれば」と期待を込める。
市が昨年発表した17年度の農業実態調査によると、のらぼう菜の年間収穫量は多摩区の約5・5トンを筆頭に市内で約13トンにのぼる。川崎区、幸区を除く5区で栽培されており、作付面積は延べ約3・3ヘクタール。JAセレサ川崎の直売所「セレサモス」麻生店と宮前店で、出荷者として登録されている農家は合わせて151件ある。
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