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川崎区・幸区版 公開:2012年1月1日 エリアトップへ

新春市長インタビュー 救急医療、災害に強いまちへ 保育所と特養の整備、雇用環境改善にも力注ぐ

公開:2012年1月1日

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まちづくりのビジョンについて語る阿部市長
まちづくりのビジョンについて語る阿部市長

 新年にあたり、本紙では、阿部孝夫川崎市長に恒例の新春インタビューを行った。阿部市長は東日本大震災を教訓に救急医療や災害に強いまちづくりに取り組むことや喫緊の課題である保育所、特養整備に着手し、引き続き市の魅力アップにも力を注ぐことなどを語った。(聞き手/本紙・川崎区幸区編集室 金屋大輔)

 ――あけましておめでとうございます。昨年は3月11日に東日本大震災が発生し、危機管理のあり方が問われた一年となりました。3・11から得た教訓、そして今後、川崎市の危機管理や防災施策にどう反映されるのかお聞かせください。

 「東日本大震災では、本市でも、地震による施設の損壊や地盤の液状化、また帰宅困難者問題など、様々な影響がみられました。

 今回の震災では、予め災害時の避難ルートが複数定めてあったり、災害情報の入手や伝達の方法が確保されていることなど、普段からの備えが、非常に重要かつ効果的であることを実感しました。

 そのため、昨年度策定した、『地震被害想定調査』『地震防災戦略』及び『備蓄計画』など、本市の防災対策の基礎となる様々な計画について見直しを進め、防災体制の強化に取り組んでいます。

 一方、災害への備えには、自らの身は自らで守る『自助』、お互いを助け合う『共助』の取組が非常に重要となります。

 家庭での備蓄や避難場所の確認など市民一人ひとりの防災意識が高まるように啓発を行うとともに、共助の重要な担い手である地域の『自主防災組織』を強化するための支援にも、積極的に取り組んでいきます」

 ――震災からは地域コミュニティの大切さも再認識されました。これに対する市の施策についてはいかがでしょうか。

 「今回の震災では、地域における絆の大切さが再認識されました。災害時には、一刻を争う消火、救助、応急手当など、地域の人たちが力を合わせて行う必要があり、日頃からお互いの顔が見える地域コミュニティの形成が大変重要です。

 大規模再開発事業等で人口流入が著しい本市では、新住民や地域コミュニティの核となる町内会・自治会と連携した取組を推進するとともに、地域住民の自治活動の拠点である町内会・自治会館の耐震化にも取り組みます。また、人材育成や情報共有など市民活動の環境整備を進め、地域における課題解決に取り組む市民活動の活性化を支援します。さらに、地域の安全を守るため、自主防災組織の育成に努め、防災訓練等を通して、防災に関する地域住民の連帯感を高める活動を助成します。

 こうした地域コミュニティの活性化の取組により、今後も参加と協働の市民自治のまちづくりを推進する中で、有事の際に発揮される地域の防災力が培われるよう支援します」

川崎市の魅力アップに手ごたえ

 ――さて、阿部市政が誕生してから10年が過ぎました。この間、主に行財政改革や音楽、芸術のまちづくりにも取り組んできました。これまでの感想と11年目の重点施策についてお伺いします。

 「この間、行財政改革の取組を進め、無駄を省き、仕事を効率化し、財政基盤を強化することで、川崎市は健全な自治体に生まれ変わりました。

 また、市内の音楽大学と連携し、ミューザを中心に進めてきた『音楽のまちづくり』や、GWの芸術イベントとして定着しつつあるアルテリッカしんゆりなど、地域の資源を磨き上げ、魅力を向上させることにより、川崎のまちの姿は大きく変貌しました。

 今年は、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害に強いまちづくりに取り組むとともに、井田病院の一部開院が予定される中、救急医療体制の強化を推進するなど、安全安心なまちづくりを進めていきたいと考えています。また、保育所や特別養護老人ホームの整備、厳しい雇用情勢への対応などを行っていきます。

 この4月には、最新鋭のプラネタリウムを設置した川崎市青少年科学館が生田緑地に開館します。また、等々力陸上競技場の建て替えに向けた取組など、川崎のさらなる魅力向上を図ります。

 さらに、本市の特徴を活かし、ライフサイエンス、環境分野の国際戦略拠点の形成など、成長戦略に基づく取組を進めていきます」

 ――川崎区・幸区の今年の重点的な取り組みは?

 「川崎区は、市内で最も高齢化率が高く、また大型マンションの建設が進む中で地域コミュニティの強化が求められています。町内会・自治会の活性化や災害時の情報共有の一つとして掲示板の有効活用のあり方等について検討を進めます。

 また、川崎駅東口周辺の安全な歩行環境を確保するため放置自転車の撤去の徹底や、周辺駅の駐輪場への利用転換を促す啓発活動等、総合的な自転車対策に取り組みます。さらに、東海道まちづくり文化・交流拠点の整備を進めます。

 幸区では、区誕生40年を記念して、区の移り変わりが分かる写真や地域の方々の話をまとめた記念誌の発行や、区のイメージアップにもつながる区の花・木の制定を区民と協働で進めます。

 また、区民会議の提言を踏まえた、夢見ヶ崎公園を中心とした周辺を地域の資源として魅力を高める園路の整備、こども用を中心としたトイレの増設、日吉出張所からのアクセス道の整備などを進めるとともに、鹿島田駅周辺環境整備については電磁ロック式駐輪場の整備や有償ボランティアによる放置自転車対策の活動を推進します」

 ――最後に、市民に向けて一言お願いします。

 「これまで進めてきた『川崎再生』を発展させ、『川崎の新たな飛躍』を確実なものにするよう、市民生活の安全・安心のための救急医療や災害に強いまちづくり、魅力が輝き、活力にあふれるまちづくりに全力で取り組みますので、今後とも、市民の皆さんの御協力をお願いします」
 

市の防災施策について語る阿部市長(右)
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