幸区新川崎 超微細技術拠点が完成 総合特区との連携も視野に
幸区新川崎・創造のもり地区に超微細(ナノ・マイクロ)技術の研究開発の拠点「かわさき新産業創造センター」の新館「NANOBIC(ナノビック)」がこのほど完成した。市では市内企業の共通基盤技術の向上や新産業の創出に期待を寄せている。
ナノ・マイクロ技術は、医療から環境までの幅広い分野で応用が期待される、世界的にも注目を集める次世代産業分野。
市は産学官連携による新産業創出にも期待が寄せられていることから、研究拠点の整備を進めてきた。
完成したナノビックは、総床面積約1970平方メートルの2階建て。マイクロ(100万分の1)メートルからナノ(10億分の1)メートルまでの超微細な領域の加工技術などを中心に研究開発を進める。すでに慶応大学、早稲田大学、東京工業大学、東京大学が共同で「拡張ナノ空間」の研究をスタートしているほか、東京大学と日本IBMによる共同研究も進められている。9月には、超精密加工などに必要なクリーンルーム棟(約2850平方メートル)の運用も開始される。
ナノビックが入る新川崎・創造のもり地区は、市が99年2月に21世紀を支える先端科学の拠点と新産業の創出を目指し計画し、整備が進められてきた。第1期では、慶応大学との研究開発拠点「K2(ケイスクエア)タウンキャンパス」、第2期では、創業支援や成長支援など地域経済の活性化を図るベンチャービジネス創出拠点「かわさき新産業創造センター」が建設された。ナノビック建設は、最終計画に当たる第3期事業。
同施設完成を受け、新川崎周辺企業で連携し、基盤技術の向上を図るため市では、新川崎周辺の先端企業、研究機関、大学など約35件の機関に呼びかけ、6月中に「新川崎地区ネットワーク」の発足を目指している。
また、川崎区殿町3丁目の国際総合特区と連携し、ライフサイエンス分野や環境分野などでの新産業の創出にも期待を寄せる。
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4月26日
4月19日