「地域マップで絆深めて」 川崎総合科学高生が作成
市立川崎総合科学高校(市野典明校長)の生徒が、地域マップ「てくてくのろじー」を作成した。学校のある幸区・小向地区のコミュニケーションを活性化することが狙い。学校周辺の施設や商店街、店舗を取り上げ、その歴史や魅力を紹介している。
作成したのはまちづくりや空間デザインを学ぶ建設工学科建築デザインコースの3年生8人。3年時に行う「調査研究」の授業内で10月から、2カ月をかけて完成させた。A5サイズ、4ページ構成の紙面を発行し、取材先等に合計約360部配布している。
8人はもともと「コミュニケーションが活発になるまちづくり」という研究テーマで集まった。一昨年3月の東日本大震災での津波被害も踏まえ「普段のコミュニケーションが活発なら、いざというときに助け合えるはず」との考えから、地域住民同士の会話のきっかけ作りとしてマップ作成を決定。学校名や学科名を表す英語と「てくてく、のろのろ、路地を歩く」との意味を掛け合わせ「てくてくのろじー」と命名した。
取材は、生徒が実際に学校周辺を歩いて気になったスポットに対して行った。東芝科学館を取材した内條聖也君は「行ったことはあったけど、科学館が地域貢献活動を行っているのは初めて知った」と取材を通して得た驚きを話す。ほかにも地元商店街・小向マーケットの取材ではかつて16店舗が軒をそろえ、賑わっていた様子を、生花店では地域の人々から慕われていた先代社長夫人のエピソードを引き出した。紙面は商店街の常連客の手にも渡り、好評を得ている。
作成に携わった長谷川えりかさんは「地域の人に『見たよ!』と声をかけてもらえた。これをきっかけに、地域のお店や施設に足を運んでもらえれば」と期待を込めていた。
同マップは現在も幸区役所や東芝科学館、小向マーケット、生花店・愛花園で配布中。担当の田村教諭によると、来年度の授業でも引き続きマップを作成する予定だという。
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5月3日
4月26日