かわさき宿交流館 来月1日開館へ 地域交流拠点に期待の声
「東海道かわさき宿交流館」(本町1の8の4)が、10月1日に開館する。東海道五十三次の宿場町として栄えた川崎の原点を広く知ってもらおうと、工夫を凝らした展示で区民の関心を呼び込む。
4階建ての同館は、川崎宿の歴史や文化を学べるだけでなく、江戸時代から現代までを検証できる施設として開館する。青木茂夫館長は「昔の川崎をただ再現しただけではなく、現代の技術で今昔を紹介している点がポイント」と胸を張る。
1階には、川崎宿の茶屋「万年屋」を再現したお休み処が。畳に腰かけながら、同館キャラクターの「六さん」が解説する川崎宿についての映像を見ることができる。飲食可能な休憩スペースも設け、「東海道や周辺散策などの際に立ち寄って、地域の交流拠点にしてほしい」と青木館長は期待を寄せる。
「江戸時代にタイムスリップ!」というコンセプトを掲げた2階では、床に江戸時代の川崎宿絵地図が描かれ、その両側に映像装置「ものがたりBOX」を設置している。六郷の渡しや万年屋などで繰り広げられた物語を、模型と透過映像の組み合わせで表現している。市民ミュージアム所蔵の模型を小型カメラで撮影して制作したという、川崎宿の街並みが再現された情報装置は、画面上のマップをタッチしてなぞっていくと、当時の川崎宿を実際に歩いているような感覚が味わえる。
また、一堂に揃えた東海道五十三次の浮世絵や、江戸の旅に使われたとされる道具も展示。見るだけではなく、ケースから取り出して自由に触ることができる点は、従来型の資料館とは一線を画している。
大きな浮世絵を背景にした撮影スポットも設置。旅人の衣装やカツラも用意されており、着用して記念撮影を楽しめるという。
時代を遡って楽しむ
3階のコンセプトは「江戸時代から現代へ!」。「川崎発掘・いまむかし」と題した約80インチの大型タッチパネルは、川崎市全域の地図と航空写真、情報を重ねた装置。画面上の地図で拡大したい部分に触れると、その地点の現代、昭和、大正、明治の写真や地図が直径30cmほどの円で表示される。各区ごとに画面表示することも可能で、より細部にわたって川崎の地域の移り変わりを探索することができる。4階は、有料・予約制で市民も利用可能な集会室と、イベント等を行う多目的スペースがある。
市公園緑地まちづくり調整室の和田忠也室長は、「かつての川崎が現在とどのように繋がっているかを目で見て触って、確認してもらいたい。現代から遡って掘り下げていく面白さも感じてもらえるのでは」と話す。
開館時間は午前9時から午後5時まで。月曜休館(休日の場合は開館し、次の休日以外に振替)。入館無料。同館の紹介映像は、ユーチューブでも公開している(「東海道川崎宿交流館」で検索)。
開館記念特別企画展として、1日(火)から27日(日)まで(休館日除く)「広重 東海道五拾三次」を開催。歌川広重が描いた浮世絵シリーズ全55図を一挙公開する。観覧無料。問い合わせは同館【電話】044・280・7321。
|
|
|
|
|
|
5月3日
4月26日