全日本バスケ 東芝が8季ぶりに日本一 ラスト数秒に再逆転
第89回天皇杯・第80回皇后杯全日本総合バスケットボール選手権大会の男子決勝戦が1月13日、国立代々木競技場で行われ、川崎市に本拠地を置く、東芝ブレイブサンダース神奈川が8季ぶり3回目の優勝を飾った=写真。
決勝戦は、過去17回の優勝実績を持つ強豪、トヨタ自動車アルバルク東京と白熱した試合になった。東芝はゴール下からの決定力の高いシュートと3ポイントシュートなどで一時は10点差以上リードを広げ試合を優位に進めたが、終盤、トヨタ自動車がじりじりと追い上げ、残り18秒で逆転された。しかしエースのニック・ファジーカス選手が再逆転弾。更に辻直人選手がパスカットからシュートを決めて3点差とし、82対79で勝利を掴んだ。
北卓也ヘッドコーチは「最後までタフな試合になったが選手たちが頑張ってくれた。こういう試合ができてうれしい」と話した。
また、ファジーカス選手と辻選手は大会のベスト5選手にも選ばれた。
この試合を観戦した福田紀彦川崎市長は「劇的な試合だった。川崎市の誇りになる。今後も活躍を期待したい」と話していた。
厳しい時期を乗り越え成長
東芝ブレイブサンダース神奈川は、(株)東芝のバスケットボール部として、1950年に創部。男子バスケットボールの国内トップリーグであるNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)に所属し、過去には日本リーグや国体などタイトルを10回とっているが、06年以降は優勝から遠ざかっていた。この背景の一因としては、プロ契約を希望する選手の流出があったという。業界では選手のプロ化が進み、社員としての契約を前提としている同チームではプロ契約を結びたい選手が他チームに流れ、有望な新人も獲得できずにいたことがあったという。しかし同クラブでは「プロ契約もアマ契約もそんなに関係ない。重要なのは選手がバスケットに専念でき上を目指せる環境」と話すように、アスレティックトレーナーを取り入れたり、一年中練習できる環境を整え、地道にチームを育成した。そして昨シーズンにはNBAでもプレイしていたことがある、身長211cmのファジーカス選手を獲得、さらに高校・大学で日本一を経験していた辻選手も入団。チームは着実に成長し、昨年はリーグ準優勝になった。
なお、同チームは中原区のとどろきアリーナをホームに活動し、04年には川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナーに認定され、地域で貢献活動にも尽力している。
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5月3日
4月26日