川崎での映画撮影増に期待 受け入れ態勢に課題の声
川崎南部を中心に撮影が行われていた映画『小川町セレナーデ』が2月1日にクランプアップした。1カ月にわたる撮影には、のべ200人以上の市民エキストラが参加。映画関係者から「これを機会に川崎での映画撮影が増えるかも」といった声が聞かれるという。
『小川町セレナーデ』は、市民有志の思いから企画され、費用の一部をまかない、製作にこぎつけた作品。『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』チーフ助監督を務めた原桂之介さんが初メガホンをとった。ストーリーは「オカマ」のエンジェルとそのエンジェルに恋した女性・真奈美、2人の間に生まれた子ども・小夜子を中心に織りなす人情コメディー。俳優の須藤理彩さん、安田顕さん、藤本泉さんらが出演する。
撮影は川崎区をメーン拠点に1カ月にわたって行われ、作品プロデューサーから「川崎で映画撮影をできるとは思わなかった」と今後、映画撮影が増える可能性を示唆するような声が聞かれたという。
川崎への映画誘致活動に取り組む「かわさきMOVE ART OO隊」事務局長の寺川香苗さんによると、映画製作は従来、撮影誘致に力を入れる神戸市や北九州市を使うケースが多く、東京を舞台とした作品が神戸で撮影されるケースも少なくないという。また、映画製作会社は東京を拠点にするところが多く、地方で撮影を行うと、宿泊費や時間など膨大なコストがかかってしまうが、川崎でのロケが可能になれば、製作コストの圧縮につながるメリットが生まれるという。
「少しでも安く抑えたいというのが、製作者の思い。川崎は様々なドラマやCMロケ撮影などで市民がロケ慣れしている点も映画製作関係者の間には高評価のようです」と寺川さんは話す。
撮影が増えることは「映像のまち」を掲げる川崎市にとっては追い風ともなりそうだが、今後はロケができる施設や場所を受け入れ態勢などを整備する必要があるといった声も聞かれる。
『小川町セレナーデ』は初夏、川崎チネチッタを皮切りに全国で公開される予定。
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4月26日
4月19日