「区の木」に制定されている長十郎梨を自宅で育ててもらおうと、市民有志で組織された実行委員会が苗木作りの講習会を開催する。賛同者を広げ、区内に梨畑が広がっていたかつての景色を取り戻せればと夢見る。
大師河原発祥の長十郎梨が盛んに栽培されていたのは明治・大正時代。当時の区内は梨畑が広がり、俳人・正岡子規は『多摩川を 汽車で通るや 梨の花』と詠んだ。そんな光景に近づけたいと、長十郎まつり実行委員会(石渡孝明委員長)が企画した。
実行委員会は前身にあたる市民有志グループが05年から行っている長十郎梨の植樹会や収穫祭、小学校の体験教室等を引継ぎ、昨年9月、若宮八幡宮で長十郎梨の奉納祭を実施。苗木作りを通じ、長十郎梨をより身近に感じてもらおうという狙いもある。
メンバーの一人である阿部英夫さんは「接ぎ木を使って苗木を作る機会はなかなかないし、面白い。説明を聞きながら作れば、そんなに難しくないですよ」と話す。作った苗木は、うまく育てばおよそ4、5年で数個の実をつけるという。阿部さんは「ぜひ庭に植え替えて大きく育ててほしい」と話すが、ポットに入った状態で持って帰ることができるので、庭などの植え替える土壌がなくても、鉢で育てることが可能だ。
苗木作りの講習会は3月18日 、砂子の東海道かわさき宿交流館4階で開催。神奈川県農業技術センター職員から接ぎ木の仕方を学び、接ぎ木を台木に括り付けて苗木を作る。
当日は、俳優で同実行委員メンバーの中本賢さんも来場し、長十郎梨の歴史などを講演する。午後1時30分から3時30分まで。定員は先着20人。費用は材料代として1500円。
申し込みは電話かFAXで、同実行委員長の石渡さん(【電話】044・288・5885、【FAX】044・288・5861)へ。
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