多摩川にハマグリの姿 市民団体が調査
多摩川に「ハマグリが還って」きた。市民団体「多摩川クラブ」のメンバー8人が、3月31日に多摩川河口付近の干潟で生息調査を行ったところ、1時間に12個のハマグリが採れた。
かつて多摩川にはハマグリが生息し、明治・大正時代にはアサリやアオヤギなどとあわせて貝捲き漁が盛んに行われていた。「ハマグリ鍋」が川崎の名物にもなるほどだったが、高度経済成長以降、工場排水や生活排水等で多摩川が汚染され、生物は姿を消した。東京湾ではハマグリが絶滅したとも言われていた。
下水道の普及など、行政の取り組みにより徐々に水質が改善した多摩川には、数年前にはシジミの姿が見られるようになるなど、生物が再び生息するようになったという。同クラブがハマグリの調査を行う発端となったのは09年。メンバーで俳優の中本賢さんが同年、干潟でハマグリを偶然発見し、千葉県立中央博物館がハマグリと判定したことがきっかけだった。それ以来、メンバーは多摩川を訪れる度にハマグリの存在を確認し続けてきた。
ハマグリを見守ってきた同クラブは、ここのところハマグリを採りに来る人が増えてきたことから、環境再生の観点を訴えたいと思い、存在を公表した。多摩川が辿ってきた過程を見続けてきた、同クラブメンバーの阿部英夫さんは「私が子どもの頃は『多摩川に手を入れたら腐る』とまで言われていた。当時、川崎は公害で苦しんだけれど、自分たちの街にこんなにもきれいになった場所があるという喜びを感じてもらえたら」と話す。同クラブとしては、環境再生の産物としてハマグリを残していきたいとし、採っても小さいものは放すなどの配慮を呼び掛けている。
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10月25日