渡田東町在住の人形作家・澤井澄子さん(84)ゆかりの人形作品展が、東海道かわさき宿交流館で開催されている。人形作りに捧げて60年。その集大成となる展示に、連日多くの人が足を運んでいる。
作品展は「澤井寿美人形作品展―人形作家60年の思い出―」と題し、6月30日(木)まで開催されている。澤井さんは、日本芸術人形協会の教授も務めている。市松人形、能人形などの日本人形などを主に手掛け、作品はパリで行われた展示会へ渡ったこともある。
会場の入り口には、澤井さんの人形作りを応援してくれたという母を表現した人形が、実際に着ていた着物を纏い鎮座している。美しい着物姿が印象的な「源氏物語絵巻」と題した自信作、娘の生い立ちをテーマにした創作人形は、型から自身で成形したもので、愛情がにじみ出た作品。会場には人形人生60年の思いが詰まった大小100体以上が所狭しと並ぶ。
同協会の講師4人で1984年に手掛けたという「東海道道中」は、東海道を行き交う江戸時代の人々を表現した大作。約4mほどの長さに土台をつくり、その上に38体の人形が思い思いの表情を見せている。普段は同館1階の入り口付近に飾られているが設置スペースが限られているため、一部のみ展示されている。澤井さんは「この機会にすべてお見せしたい」と全景を披露。今にも動き出しそうな躍動感あふれる姿に、訪れる人からはため息が漏れる。
澤井さんは「60年一生懸命手掛けてきた作品がこういった形で見てもらえるのは幸せ。感謝したい」と話している。
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