川崎区を通る国道15号線の一部地域の中央分離帯を巡り、2、3年前から近隣住民が行政に状況の改善を求める動きが見られる。同所を管轄する国交省は住民の声に耳を傾けつつ、限られた予算内での対応に頭を悩ませている。
川崎区池田に住む岩井廣子さん(83)は、「池田二丁目交差点」付近の中央分離帯の植栽に不満を抱く1人。「他の区間に比べて池田付近の植栽が荒れているので、年2回ほど手入れしてほしいと国交省や川崎市に意見してきたが、改善しない。生きている間に地元をきれいにしたい」と嘆く。
池田のすぐ隣、日進町に面する中央分離帯に対しても町民たちから改善要望が上がっている。同町内会会長は、「ゴミの投げ捨てなどによる同所の散乱に対して、2、3年ほど前から状況改善を望む意見を、市や区に届けている」と話す。
同所を管轄する国交省横浜国道事務所神奈川出張所の担当者によると、川崎区内の国道15号線の中央分離帯について昨年、同区民から植栽の剪定、ゴミ収集など10件の要望があったという。
植栽の剪定やゴミ収集は特定の期間を設定しておらず、市民からの要望や同出張所の現場視察を踏まえ、対処の必要があった場合適時行っている。植栽の剪定は平均年1回ほど、ゴミの収集は年3、4回実施している。国道15号線川崎区内の中央分離帯のゴミ収集をするのに、1回100万円ほどの費用がかかるという。
同出張所は、破損した道路の修復など、人命に関わる案件を最優先する必要がある。「住民からの声も届いているが、限られた予算、時間の中で全てに対応することは難しく、もどかしさを感じることもある」と話す。
一方で、「川崎の区間は他区間よりゴミが多い」と頭を抱える。「池田から川崎競馬場までの道路は交差点間の距離が短く、すぐ信号で止まってしまう。停車時間が長い分、その間にゴミを捨ててしまうのでは」と分析する。
状況改善のため、国交省は2011年度から、市環境局と連携。ゴミの投げ捨て禁止を喚起する横断幕や美化啓発ポスターを国道15号線沿いの歩道橋に設置している。担当者は「道路管理を徹底しつつ、道路利用者へのマナー啓発も地道に続けていけたら」と語った。
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