幸区在住の折り紙創作家・國宗慎(まこと)さん(26)の作品「折り紙マーコール」が幸区役所1階「外国人市民情報ルーム」=中面関連記事=に展示されている。ツルを折る動画も放映されており、國宗さんは折り紙が日本人と外国人を結ぶ懸け橋になればと期待する。
「折り紙マーコール」は高さ約20cmの作品で、約60cm四方の1枚の紙で作られている。國宗さんのオリジナル作品で、創作開始から完成まで約1カ月。折る作業だけで約30時間かかるという。角やひづめなどの細部にもこだわり、「マーコールは岩地を生き抜く動物で、ひづめの頑強さも表現したかった」と國宗さんは話す。
幸区役所は同ルームを開設するにあたり、日本に親しみを持ってもらおうと折り紙の展示を企画。折り紙作家として区内在住の國宗さんに白羽の矢が立った。
美術大学出身の國宗さんは卒業制作で絶滅危惧種の生物7種(オオワシ・シロクマ・イワトビペンギン・オオクワガタ・マーコール・アマゴイルリトンボ・シーラカンス)を創作折り紙として制作していた。区の担当者は「あまりの精巧さに驚いた。マーコールは夢見ヶ崎動物公園で飼育しており、区の魅力発信にもつながる」と語った。
國宗さんが折り紙のとりこになったのは小学3年生の頃。テレビ番組で見た「折り紙王選手権」がきっかけ。それまで知っていた折り紙とは次元の違う作品に衝撃を受け、自分も作りたいと思ったという。初めての創作は小学生の時に作った「オタマジャクシ」。小学校の池で見たものをヒントに、ツルを折る途中段階でアレンジを加え完成させた。4年前から干支を題材に戌、亥、子、丑と制作。これまでに20から30種のオリジナル作品を作ってきた。
國宗さんは一般企業に勤めながら創作に励んでいるため顔を出していない。これまでは趣味の域を出ていなかったといい、今回のことをきっかけに展覧会の開催やイベントでの講師など活動の幅を広げていきたいという。「折った後に遊べる作品を作って折り紙を身近なものに感じてもらえればと思います」と意欲を示した。
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