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鋼管通の姥ヶ森 「120年ぶり」に2柱巡幸 稲毛神社の御霊 車両で

文化

掲載号:2021年8月13日号

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井戸から汲んだ御神水を御霊に振りかけ、お祓いをする神職ら
井戸から汲んだ御神水を御霊に振りかけ、お祓いをする神職ら

 川崎区鋼管通3丁目の姥ヶ森弁財天に8月3日、稲毛神社の男神・女神の御霊が巡幸。関係者によると2柱がともに立ち寄るのは「約120年ぶり」。例年、同神社の山王祭では「玉」「孔雀」と呼ばれる男女2基の大神輿が地域を巡るが、距離もあるため同弁財天への立ち寄りはなかった。コロナ下で車両での巡幸が決まったこともあり、実現した。

 車両から流れる祭囃子が近づくと、町内会館にいた関係者らは沸き立ち、猛暑の中、外に出て2柱の御霊を出迎えた。「玉と孔雀の大神輿が2基一緒に来たところを見たことがない。コロナ下という特殊な状況だが、このような形で来てもらえるのは本当にありがたい」と姥ヶ森町内会の石切山幸一郎会長(73)は語る。

 当日は、同弁財天で祀られる井戸からくみ取った「神様の産湯」ともいわれる御神水を2柱の御霊の乗った車両にかけて清めた。「御神水をふりかけないと神様が怒って神輿が無事におさまらない」との言い伝えもあり、例年、2基の神輿渡御の際にも同様の儀式を行っているという。

 今回の巡幸は、同弁財天の井戸のお祓いなどをする5月の例祭が昨年に続き今年も中止となり、地域住民から「神様に申し訳ない」との声が上がっていたことを受けたもの。稲毛神社の市川和裕宮司は「コロナ下で例祭もかなわず心苦しかった。今はできる限りを尽くすしかない」と、同弁財天への巡幸を決めたという。

「歴史知って」

 同弁財天は明治政府による小神社合祀令により神社の統廃合が進む中、明治末年に近くの新田神社(川崎区渡田)の境内に、分霊して移された。

 同弁財天の井戸には「一人の老婆が山王社を信仰し、毎朝森の池に湧く清水を神前に供えていた。死後、姥ヶ森弁財天として祀られ、山王社の御旅所となった」「昔、姥ヶ森という弁天様を祀る森があり、馬場と御手洗池があった〜」といった言い伝えがあり、江戸時代まで「河崎山王社」と呼ばれていた稲毛神社とのゆかりも深い。

 新田神社に移された後も、神様の休憩所となる「御旅所」として2基の宮神輿が詣で、儀式を執り行っている。関係者は「合祀以前は姥ヶ森に2基の宮神輿の立ち寄りがあったのではないか」と語る。鋼管通の姥ヶ森弁財天は稲毛神社から約3キロの距離で、大神輿を担いで回るには1日では足りないことなども立ち寄りがないことの理由のひとつだ。「昔は宿泊して儀式を執り行っていたのでは」と市川宮司。

 移転とともに町名は「鋼管通」に変更されたが、地域住民らは「姥ヶ森」の名を残そうと、「姥ヶ森町内会」として町内会館のとなりに弁財天を祀り、井戸を守っている。石切山会長は「稲毛神社の祭りの中でも大事な役割を担っている。地域の人にも姥ヶ森弁財天について知ってもらえたら」と思いを込めた。
 

祀られている井戸
祀られている井戸

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