川崎新田ボクシングジム(多摩区)に所属する林邦行さん(31)が4月1日(月)、プロデビュー戦のリングに立つ。
31歳での初陣はプロボクサーとしては遅咲き。だが、林さんにはもう一つの顔がある。実は林さん、本業は川崎市の小学校教諭。今年度は大師小学校(東門前)で3年生の担任も務めていた。
3年ほど前、柿生小で1年生の担任をしていた時。「体を動かしたい」と自宅近くにある同ジムの門を叩いた。当初は好きな曜日、時間に自由に練習できる一般コース。しかし、上達を実感するとプロ志向の選手コースへの挑戦心が湧いた。
不安もあった。児童に話すと返ってきた答えは「先生、やってもいないのに怖がってるの?」。はっとした。「したいと思ったことをしよう」と自分が子どもたちに話していたからだ。腹を括って選手コースに転向し昨年末、2回目の挑戦でプロテストに合格した。
プロとしてリングに上がることは副業と見なされ、マッチメイクは難航した。だが周囲の応援にも助けられ、ファイトマネーを受け取らず、趣味の延長としてであれば、試合に出場できるということになった。大師小では児童に自分の口からそのことを告げた。学校だよりでも紹介され、子どもだけでなく保護者や同僚からも「頑張って」と背中を押された。
「少しでも自分の姿を目に焼き付け夢を持ち、頑張ろうという気持ちになってくれたら」。子どもと共にと、試合で履くトランクスの膝上に「柿生」と「大師」、腰には「夢を持とう」の文字。「先生、やる前から諦めちゃだめだよ。やってみないとわからないじゃん」。子どもたちの声を胸に、ゴングを待つ。
ジム主催の興行
林さんは同ジム主催の興行「ホープフルファイト」スーパーフェザー級に出場する。相手の小橋フウラ選手(宮田ジム)もデビュー戦。後楽園ホール。午後6時開始。
(問)新田ジム【電話】044・932・4639
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