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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2024.05.24

今春から幸消防署長を務めている
永岡 敦司さん
高津区在住 54歳

区民のため、ひたすらに

 ○…川崎市消防局に勤め31年。初めて署長として指揮を執ることになった。就任にあたり署員たちには「当たり前のことを当たり前に」と基本に忠実に職務にあたるよう求め、また、ハラスメント防止など働きやすい職場環境づくりも呼びかけた。「優秀な職員が多いのだから職場環境さえ良ければ、おのずとパフォーマンスは向上する。それは市民サービスに繋がる」と話す。

 ○…バブルがはじけ就職難の中、親から公務員の仕事を薦められ、今の道に。消防のいろはも知らずに就職し、「最初の消防学校の生活が厳しくて、何度も辞めようと考えた」と笑う。現場に就いてからも縦社会の空気が読めず、新人ながら会議で意見し、先輩に怒られこともあった。だが、その経験が糧に。「誰でも意見できるような開けた職場にしたい。おかしいと感じたところは変えていきたい」と思うようになった。

 ○…「救助隊になりたいとか、体力自慢の新人がいっぱいいる中、私はどこか客観視していて『異質』だったと思う」。これまで消防署員生活の11年間を人事畑で過ごしてきた。より良い職場にするため署員の声に耳を傾け、女性の採用活動やキャリア形成にも力を入れてきた。昨年は、女性としては初めてとなる出張所長の就任も後押しをした。

 ○…生まれは宮前区。小さい頃にカブトムシを採りに近所の林に出掛けたことが思い出だ。家では夕飯作りを担当。ネットのレシピサイトを参考に献立を考えるのが、仕事の気晴らしにもなっているという。心に留めている言葉がある「明日を見つめて今をひたすらに」。「仕事も人生も、今を頑張ることが将来につながる。幸区民の安全のために、ひたすらにやっていきたい」

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