踊りで被災者に勇気を 舞川一門がいわき市で公演
毎年秋に川崎大師周辺で行われる「水鳥の祭」で舞を踊るなど川崎市を中心に活躍する日本舞踊「舞川流」の家元、舞川扇彩さん(川崎区伊勢町)が弟子ら20人と5月21日、22日に東日本大震災で甚大な被害が出た福島県いわき市南部の勿来(なこそ)地区を訪れ、避難所となっている体育館で被災者に舞を披露した。
同地区は、地震や津波の被害だけでなく、福島第一原発の事故による放射能や風評被害など四重の苦しみを抱えている。そんな現状を知り「義援金を送るのもいいが、舞踊家として被災者のために何かできないか」と考え、公演することを決意した。
決意はしたものの、土地に縁もなかったため何度も足を運び、飛び込みで避難所などを巡り、住民やボランティアと会うことで人脈を作り公演までこぎつけた。
当日は約40人が避難している勿来体育館に自分たちで持ち込んだ器材で特設ステージを作り、古典演目「手習子」やバレエ曲「剣の舞」などを取り入れたオリジナル舞踊など3曲を披露した。被災者からは「舞がよかった。楽しかった」「気持ちが和んだ」との声が上がったという。
舞川さんは「避難所には長期にわたる避難生活により、張り詰めた空気が漂っていた。そんな被災者に少しは穏やかな気持ちになってもらえられたと思う。ぜひまた行って踊りたい」と長期的に支援していくことを力強く話した。
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5月17日
5月10日