無所属新人3人が名乗りをあげた川崎市長選挙が10月27日に投開票され、元県議の福田紀彦氏(41)が、総務省出身の元市財政局長の秀嶋善雄氏(44・自民党、民主党、公明党推薦)、女性団体役員の君嶋千佳子氏(63・共産党推薦)を破り初当選した。現市政の継承が争点となった激戦は、市政刷新を掲げた「完全無所属」の福田氏に軍配があがった。
得票数は福田氏が14万2672票、秀嶋氏が13万9814票、君嶋氏は8万5475票だった。
福田氏は、3党が相乗りして組織力で勝る秀嶋氏に対し、政党の推薦を求めずボランティア有志を中心に選挙戦を展開。前県知事で現参議院議員の松沢成文氏の支援を受けて、市民派として「脱官僚」市政を訴えた。川崎区や幸区、中原区、高津区の4区の得票数は秀嶋氏に及ばなかったものの、県議時代の選挙区の宮前区を中心に川崎北部で票を集め、約2800票差の接戦を制した。
「皆さんが奇跡を起こした」。多くの支持者らが詰めかけた事務所に当選の知らせが入ると大きな歓声があがった。
挨拶に立った福田氏は今回の選挙戦を「自公民相乗りの連合艦隊と手漕ぎボートの戦い。みんなが漕いでくれたおかげ。42年間続いた役人市政を、皆さんが変えようという気になった結果」と振り返り、「横浜、東京の中心にある川崎の可能性を最大限に引き出す。わくわくするまちをつくっていきたい」と抱負を語った。
一方、落選の知らせを受けた秀嶋氏は「市民成長力日本一を訴えてきたが市民に浸透しきらなかった」と支持者らに頭を下げた。君嶋氏は「私が掲げていた政策は市民に求められていた。期間と認知度で及ばなかった」と敗戦の弁を述べた。
投票率は全市で32・82%。参院選補選と同時の前回に比べ3・27ポイントの減。
福田氏は「20年間変わらず30%台の投票率には大変危機感を持っていた。選挙戦でも再三(投票行動の重要性を市民に)訴えてきた。市民の参政なしには、選択の正当性が問われてしまう」と話した。
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