川崎消防署長として署員139人を束ねる 山本 勉さん 海老名在住 56歳
住民との協力で減災へ
○…初の署長職。「市民のために、また、市民の理解を得られるよう誠実に、一歩一歩進む」ことを心掛けている。管内は住宅がひしめく地域も多く、大災害等での火災発生時の対応策として「地域住民の力」を挙げる。署員でなくても、一般の人が使用することのできるホースキットを避難所に設置する試みは、3年計画で行う新規事業。目下、町内会や関係団体に自ら説明に赴いている。「署員が駆けつける前に住民自らが初期消火を行ってくれれば、延焼を防ぐことができる」と、減災には住民との協力が大切であると説く。
○…大学時代は社会福祉を専攻。「人のために働き、人を支えていきたい」との思いから、市民のために働く公務員を希望した。81年に職員として採用され、消防隊、救助隊を経て、88年には警防部航空隊の航空救助員に。89年には川崎市で初めて、ヘリコプターでの人命救助を行った。その後、出張所の所長や庶務係長、警防第一課長、消防局での総務部担当部長と、消防全体を見る立場を経験した。
○…どの場所でも、署員とのコミュニケーションを大切にしてきた。署長となった今でも、若い署員をはじめ、自ら積極的に話しかけるという。「いい雰囲気作りが、チームワークの良さに繋がる。考え方によってはお互いの命を預かる身。皆一緒に同じ方向を向かなければ」と鋭いまなざしを向ける。
○…趣味はランニング。青梅マラソンやえびな健康マラソンなど大会への出場経験もあり、今でも週末には16Km走る。「大きな災害時にもへこたれないよう、体力をつけなければね」と言いながら、「『私に走りで勝てない救助隊はいらない』と言うためでもあるかな」といたずらっぽく笑う。30年連れ添う夫人と2人暮らし。長女は結婚し、長男は自身と同じ道を歩んで消防士になった。まだ2年目の”後輩”と仕事について語り合えるのは、「やはりうれしいですよ」と相好を崩す。
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5月17日
5月10日