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川崎区・幸区版 公開:2016年1月8日 エリアトップへ

新春区長インタビュー 隣接区と防災・防犯連携強化 帰宅困難者対策視野に

社会

公開:2016年1月8日

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インタビューに応じる大谷区長
インタビューに応じる大谷区長

 年頭にあたり、本紙は恒例の区長インタビューを行った。区内の「防災・防犯」「高齢者・子育て支援」「自転車対策」「インフラ」について大谷雄二区長に語ってもらった。

 (聞き手/川崎区編集室編集長 金屋大輔)   

■防災・防犯

 ―― 川崎区、幸区、横浜市鶴見区の3区は昨年11月12日に防災や防犯に関する包括連携協定を結びました。協定締結の意義は?

 「包括連携の話し合いは幸区と鶴見区が先行して進めていた中で、両区と接する川崎区を含めた、より広範囲な形での包括連携協定が実現しました。 包括連携協定締結により、例えば川崎・鶴見区民がお互いの近場の広域避難場所に避難しやすくなると考えています」

 ――包括協定を具体的にどう生かすのでしょうか?

 「まだ検討段階ですが、例えば自動車教習所での安全教室や外国人向け防災フォーラムに横浜の外国人市民が参加するといったことが考えられます。ソフト面での連携ができるのではないでしょうか。もっと発展していけば、帰宅困難者対策なども連携ができるようになるのではないかと考えています」

 ――臨海部にコンビナートを抱える川崎区では津波やコンビナート災害への安全対策や啓発が求められています。昨年は桜本中学校で大規模訓練を実施しました。訓練を通じて区民に伝えたいことはありますか?

 「コンビナートの災害対応はそれぞれの企業で取り組んでいかねばなりませんが、どういう取り組みを行っているのか、その努力を区民に啓発していくことが大切です。津波避難訓練は区民に自宅から避難施設まで経路を確認しながら避難してもらい、住んでいるところから施設への距離などを実感してもらっています。また、避難施設では屋上まで上がってもらっていますが、特にお年寄りには日ごろから足腰強化の必要性をわかっていただける良い機会になればという思いもあります」

 ――外国人市民を対象にした防災訓練に取り組み始めました。ここから見えてきた課題はありますか?

 「川崎区には1万人以上の外国人市民が生活しています。彼らは言葉の壁から限られた情報しか入らない『災害弱者』であり、災害に国籍は関係ありません。昨年度から防災フォーラムを始め、昨年10月に2回目を開き、さらに市教育文化会館や市ふれあい館で識字学級(日本語の読み書きが不自由な外国人市民を対象にした教室)で防災講座を実施しました。開いてみると、1回参加した人が2回目も続けて参加する割合が意外に少なかった感じがしました。地域の外国人市民の出入りが激しいのか、備えへの切迫感が日本人とは少し違うのかもしれません。もう少し分析してみなければなりませんが、継続していくことが大事だと考えています」

■高齢者・子育て支援

 ――区内の高齢化率は市内で最も高い21・8%(27年3月)で、そのうち4人に1人が一人暮らしという実態があります。高齢者夫婦のみの世帯や介護が必要な人も今後増えると予想される中、いきいきと暮らせる地域づくりが求められています。孤独死をなくすということも必要です。一方で小田栄2丁目、中瀬3丁目、大師河原1丁目などでは子育て中の若い世代が増え始めてきています。両親の共働きにより、地域で子育てを支えていくことが重要だと思われます。区では今年どのように取り組むのでしょうか?

 「重要なのはいかに地域の顔が見える関係づくりができるかという点です。 関係づくりは地域住民同士だけではなく、行政と地域も含まれます」

「絆を深めて明るい年に」

 「そういう意味で、行政職員も地域に出ていかねばなりませんし、これからは保健師も地域に出ていく必要があります。2016年の川崎市は高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるため『地域包括ケアシステム構築』を推進していきますが、地域包括ケアは広い意味で言えば『まちづくり』です。例えば、公園の利用方法について考える際、高齢者支援、子育て支援の視点を考えねばなりませんが、それ以外の要素も意外とあるのではと考えています。一つの問題を地域全体で考えていくことが大切ですし、地域がつながっていくことになるのだと思います」


■自転車対策

 ――区内の自転車事故件数は県内でも指折りで事故を1つでも減らすため、啓発教室を実施しています。見えてきた課題と今年の実施計画はいかがでしょう?

 「まずはこれまで毎年行っている様々なキャンペーンを通じて人から人へしっかり伝えていきます。また、スケアードストレート(=恐怖の直視)などを通じて、視覚的に事故の恐ろしさを伝えていくなど、継続していくことが重要だと考えています」

 ――放置自転車を少しでも減らすための取組も重要ですが、具体的な施策は?

 「放置自転車を完全に無くすことは難しいことですが、 撤去活動を強化していくことが大切です。そういう観点から撤去活動にご理解いただいて、適正な安全管理をしっかりとやっていかねばなりません。また、2016年3月中に国道15号線沿いの宮本町交差点から川崎消防署まで放置自転車の禁止区域の指定を拡大して、あわせてラック式の駐輪場が整備されます」

■インフラ

 ――区内のインフラの老朽化が進んでいます。例えば歩道橋の問題です。様々な地域からは「撤去してくれ」との声も聞かれますが、どのように対応するのでしょうか?

「老朽化している 歩道橋があることは認識しています。撤去は一つの選択肢ですが、まずは地域住民の皆さんで話し合うことが重要です。歩道橋が通学路にある場合、学校の意見を聞かねばなりません。そこで地域総意で撤去したいという要望をいただいて、区としても交通管理者と協議していきたいと思います」

 ――最後に今年の抱負をお聞かせください

「昨年は痛ましい出来事が多くありました。2016年は新たな取り組みが始まりますし、地域の人同士、地域と行政の絆がより深まっていくように、経験を糧にして明るい年にしていきたいと思っています」

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