川崎市歯科医師会(山内典明会長)が今年10月から、妊婦だけでなくそのパートナーまでを対象にした歯科健診を開始する。市の委託事業で、健診をきっかけに食生活や生活習慣など、若い男女の健康意識を高める目的がある。
女性は妊娠すると、急激なホルモンバランスの変化やつわりにより、歯周病や歯肉炎にかかりやすくなる。また、歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めると言われている。
「歯っぴーファミリー健診」と題したこの事業は、歯の健康意識の高まる妊娠期をきっかけに、家族やパートナー、生まれてくる命の健康づくりを考えてほしいと、健診や前歯のクリーニングに加え、栄養バランスを考えた食生活や禁煙など生活習慣改善による20代から30代の健康づくりにつなげていく。
過去に市内で行った健康意識実態調査によると、20歳から30歳代の男女ともに、「毎日朝食を食べる人」や「1年以上運動を続けている人」の割合が全体に比べて低く、健康に対する関心の低さが伺えた。
これを受けて川崎市は、若い世代の健康づくりを課題とし、歯科健診の対象を妊婦とそのパートナーに拡大した。
市の担当者は「政令市の中でも、パートナーまで歯科健診を受診できるのは珍しい」と話している。
受診券は区役所で発行
受診券は、区役所窓口で母子健康手帳と共に発行される。費用は3715円のうち500円(1人分)を個人負担する。生活保護受給世帯や市民税非課税世帯の人は無料。健診を受診できる登録歯科医院は、9月以降に市のホームページで発表され、受付を開始する予定だ。
山内会長は「歯科医師会の手で市民の健康に対する意識づくりを積極的に進めていきたい」と話していた。
歯科健診に関する問い合わせは、サンキューコールかわさき【電話】044・200・3939。
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