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第27回 和田傅文学賞大賞作品

公開:2012年12月14日

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 12月1日に表彰式が行われた『和田傳文学賞』の「大賞」の作品3点を順番に掲載します。今回の審査により、大賞3作品、特選8作品、入選24作品、佳作107作品が選ばれました。

作文

ぼくの大切な「なかま」たち 

依知小学校三年 千葉偲熙

 ぼくは、生き物が大すきです。特にこん虫るい、は虫るいが大すきで、家でお父さんといろいろな生き物を育てています。かうだけでなく、川や山、海などに行き、生き物を見つけてとるのも大すきで、ぼくのしゅみです。

 虫も、は虫るいも、よく見るととってもかわいい顔をしていて、木や草の色、もようとそっくりにへんしんしたり、人間のぼくにはぜったいにできない動きをしたりして、見ているだけでも楽しく、幸せな気持ちになります。

 六月に家族で沖縄旅行に行きました。ぼくは、この旅行でひそかに「ヤンバルの森」でめずらしい生き物をさがすのを楽しみにしていました。じっさいに「ヤンバルの森」ではぼくの家の近所では見つけられないような生き物がいっぱいいました。

 「ヤンバルの森」には、たくさんのハブがいました。歩くとササッとにげていきます。生きているハブを見ましたが、死んでいるハブもたくさん見ました。車にひかれて死んでしまったようです。ぼくはかわいそうに思い、いっしょに行った、「ヤンバルの森」の生き物にくわしい人に、たずねました。

 すると、ハブのいる所に住む人たちは、どくを持つハブをきらうんだそうです。ハブはかまれてけがをすることが多いので、見つけるとそのまま車でひいてしまったり、石を投げつけてころしてしまいます。ハブは、めいわくなそんざいらしいです。

 その話をきいて、ぼくは考えてしまいました。ぼくは、ヘビが大すきですが、どうもみんなからは、ハブやヘビは、きらわれ者のようです。かんだり、どくを持っていたりするからだと思いますが、ヘビるいは、手足がないので、それがぶきなのです。ヘビは、自分を守るために、近くに来た人間をてきだと思ってかみついてくるのだと思います。

 ヘビたちは、かっていると、とても頭のよい生き物だということが分かります。目はあまり見えていないし、耳もほとんど聞こえていないのに舌でにおいをかぎつけて、てきやえものがそばにいることに気づきます。ヘビがしょっちゅう舌をペロペロと出しているのはそのためで、においだけで行動できるのはすごいなと感心します。

 いくらヘビがかみついたり、どくを出したりできても、やはり人間のほうが強いです。きらわれもので、つかまえたりころしたりして、ヘビの数が少なくなってしまわないかとぼくは心配です。

 きらわれ者の生き物といえば、ぼくはゴキブリのなかまもかっています。みんなに話すと、ゴキブリをかっているなんて気持ち悪いとか、ゴキブリは、きたないとか言われます。ヘビと同じくきらわれ者です。でもぼくはゴキブリのすごいところをよく知っています。

 まず、ゴキブリは足がとても速いです。家にあらわれるゴキブリを生きたままつかまえるのは、とてもむずかしいです。つかまえることができたときは、『やったー!』とすごくうれしくなります。

 次に、ゴキブリはだっぴをくりかえして大きくなります。マダガスカルコックローチは、だっぴをすると黒い体がまっ白になり、一時間くらいするとまた黒くなります。だっぴのようすを見るのはすごく楽しいです。ぼくはだっぴをすることはできないので、だっぴしてどんどん大きくなるのがうらやましい気持ちになります。

 さいごに、ゴキブリはとてもきれいずきです。においもないし、ケースの中もよごしません。エサをちらかすこともしません。ぼくのかっている生き物の中では、一番のきれいずきです。鳴いたりしないでしずかなのでペットとしてもめいわくではありません。どちらかというと、犬やネコのほうが大へんだと思います。

 このように、ゴキブリもよくかんさつすれば、きたなくもないし気持ち悪くもなくて、かわいくておりこうで、足の速い生き物なのです。

 ヘビやゴキブリだけではなくて、きらわれ者の生き物はたくさんいます。人間のみんながすきになってくれたらいいのにと、ぼくは思います。

 森や山に行くと生き物がいっぱいいて、ぼくはうれしくなってしまいますが、本当に自ぜんは大切だと感じます。だって、自ぜんのない場所には、あまり生き物はいないからです。ぼくの大すきな生き物がたくさんいるところは、自ぜんがいっぱいです。人間のみんながもっと生き物を大すきになってくれて、かわいい生き物たちがあん心してくらせるように自ぜんを大切にしてくれたらいいなと、ぼくは「ヤンバルの森」の中で考えました。だからぼくはこれからももっとたくさんの生き物を育てて、すばらしさをつたえていきたいと思います。
 

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