急性ウイルス感染症の「手足口病」が流行している。厚木保健福祉事務所管内(厚木市・海老名市・座間市・愛川町・清川村)でも、小児科定点医療機関の患者報告数の平均値が3週連続で流行警報発令基準値5・0人を超え、注意を呼びかけている。
手足口病は、3日から5日の潜伏期をおいて手や足、口腔内に水泡性発疹が現れる急性ウイルス感染症。咳やくしゃみから感染するほか、排出物内のウイルスが手を介して、口や目に触れることでうつるケースもある。ウイルスを抑える効果的治療法やワクチンはなく、1週間から10日で自然に治る。国立感染症研究所によると、4歳くらいまでの幼児を中心に、夏季をピークに流行がみられるという。
県衛生研究所が県内215カ所の定点医療機関(小児科定点)からの報告をもとに毎週集計している感染症発生動向調査によれば、県全体では第27週(6月29日〜7月5日)にかけての報告数が定点当たり6・09人となり、定点当たり5人を目安とする「警報レベル」を超えた。
やや減少も注意必要
同所管内では、第28週(7月6日から12日)に警報レベルの7・73人となり、第29週(7月13日〜19日)に14・64人、第30週(7月20日〜26日)は12・90人となり、やや減少した。
一般社団法人厚木医師会会長で馬嶋医院の馬嶋順子院長は「口の痛みが強いため飲食ができず、脱水症状を起こすことがあるので、刺激の少ないものを食べて安静にしましょう」とし、「大人がかかることもまれにある。外出先から帰ったときや、食事前、トイレ後の手洗い・うがいが大切。急に熱が高くなった、ぐったりしている場合は医療機関へ受診を」と話している。
市保健予防課では「警報レベルの5を大きく超えている。咳やくしゃみの症状がある人は、マスクなどによるエチケットを」と注意を呼びかけている。
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