入賞したバンドメンバーと小松教諭（２列目中央）
県立厚木高校軽音楽部（小松久子顧問・部員数75人）の勢いが止まらない。強豪校として、これまで数々の大会で優秀な成績を収めてきた同部は、今秋行われた大会でも良い結果を残した。来年７月に行われる全国高校総合文化祭への出場を決めたバンドから、明日行われるあつぎミュージックフェスティバルへの大抜擢を果たした新星バンドまで、５組の注目株を取材した。
現在は２年生が主体となって活動する同部。ほとんどが初心者から入部し、１年生の４月にバンドを結成。引退までメンバー変更することなく、活動を行っている。
11月29日に行われた神奈川県高等学校総合文化祭第13回高等学校軽音楽コンクールでは、上位７賞のうち、３つを同部が受賞する快挙を達成。層が厚いといわれる神奈川県で、強豪としての風格を見せた。
２年生の男女５人組バンド「あまつかぜ」は同コンクールで準グランプリに輝いた。リーダーの栗田翼君は、「今まで賞を取ったことがなかったので、やってきたことが認められて良かったです」と笑顔を見せた。オリジナル曲『夜明けとモノローグ』では変化する周囲との差を感じながらも成長していく主人公の姿を描き、メンバー全員が納得のいく曲に仕上がったという。来年７月には神奈川県代表として広島で行われる全国高校総合文化祭に出場。「自分たちの音楽が少しでも多くの人に伝わるように、頑張ります」と意気込みを語った。
奨励賞を受賞した２年生の男女５人組バンド「ＡｄｖａｎｃｅＲＵ（アドヴァンセル）」は”昭和歌謡ロック”で勝負。ロックテイストのビートに、昭和歌謡テイストのメロディをのせた『リベラル』で賞を獲得した。リーダーの布川輝昇君は「”昭和歌謡ロック”という自分たちの音楽で賞をいただけて嬉しいです」と話した。同じく、奨励賞に輝いたのが１年生バンドの「ＧＲＯＯＶＥ ＲＵＰＴＩＯＮ（グルーヴラプション）」。１年生ながらも、失恋をテーマにしたハードロック『Ｒｅｇｒｅｔ』で並みいる先輩を抑えての入賞を果たした。リーダーの河原直輝君は「１年生で入賞は難しいと聞いていたので、最初は信じられなかったです」と嬉しそうに心境を語った。
注目株は他にも
４人組ガールズバンドの「ＬＯＬ（ロール）」は11月22日に滋賀県で行われた、とよさと軽音楽甲子園２０１５で、準グランプリにあたる滋賀県知事賞を受賞。「とにかく笑顔で楽しそうに演奏すること」を心がけているメンバーはポップなメロディーが印象的な『ワニワニパペット』『サニーサイドアップ』の２曲で栄冠を勝ち取った。リーダーの平石知佳さんは「昨年も先輩バンドが活躍した大会。決勝に進めただけでなく賞も頂けて本当にうれしい」と笑顔がはじけた。
１年生５人組ガールズバンド「ＣＲｅａｌ‘ｍ（クリアルム）」は、８月に行われた「第２回あつぎミュージックフェスティバル新人発掘オーディション」でグランプリを獲得。あす行われるあつぎミュージックフェスティバルへ出演する。「賞を取ったとき、初めは信じられませんでした。でも明日は、私たちらしく思い切り演奏します」と意気込みを語った。
こうした結果に、顧問の小松教諭は「生徒たちの努力の成果が結果に表れたと思います。直近の大会で賞が取れたバンドだけでなく、ほかにも素晴らしいバンドがたくさんあるので、『全員が輝ける部』を目指していきたいです」と話した。
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