2016年は申年。厚木でサルといえば「猿ケ島」。この地に、申年に建てられ、正月の猿を詠んだ、さる俳人の句碑があるのをご存じだろうか。
猿ケ島在住の松田則康氏からそんな話を聞き、猿ケ島の北部、本立寺(松西真隆住職)へ向かった。同寺の参道脇にある句碑は、その名もずばり猿塚(さるつか)。書かれているのは、「年々(としどし)や 猿にきせたる さるの面(めん)」という句。
正月の芸能のひとつ、猿回しで猿が猿のお面を着けている様子を見て「年が明けても人間そのものは変わらない」という意が込められているという。詠者は松尾芭蕉だが、碑を建てたのは江戸時代中期の猿ケ島村に住んでいた、五柏園(ごはくえん)丈水(1717〜1808)という俳人。「申年」の天明8年(1788年)に、弟子とともに建立した。松西住職によれば「市内にある他の芭蕉の句碑とともに時々見に来られる方もいらっしゃいますね」という。
「厚木市史」や「あつぎ子ども風土記」などによれば、丈水は猿ケ島村の名主で、本名は大塚六左衛門武嘉。相模国から武蔵国にかけ、数百人の門人を抱えていた。小林一茶とも交流があったという。
芭蕉を尊敬し、本立寺の他にも八菅山や江の島に芭蕉の句碑を建てた。猿塚完成とともに発表した一門の句集『猿墳(さるつか)集』の冒頭には、自身の70歳を機に、この地にも芭蕉の俳諧理念は変わらず根付いていることを示すために石碑と句集を作成したことが書かれている。
昔から洪水に悩まされてきた猿ケ島。苦難の歴史の中でも、そこには文化の香りが息づいていた。
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