▽「わざわざすみませんね」。出迎えてくれたご婦人は、背筋がピンと伸び、立ち居振る舞いも美しい。3月に米寿を迎えた。夫と2人で暮らす旭町の自宅から東町スポーツセンターまでの約4Kmの道のりを、自転車を漕いで通う。昨年大腿骨を骨折したが2カ月半で退院。今もこれまで通り週2回弓を引いている。「弓道をやっているから、家に引きこもらないおかげで元気に過ごせるのかしらね」。33年間この『道』を追い続け、ねんりんピックにも2回出場。その腕前は、錬士五段だ。
▽茨城生まれ。空襲を生き延び、結婚して厚木へ。一男一女に恵まれた。手が離れて時間ができると、たまたまテレビで観た弓道に心惹かれ、すぐに門を叩いた。先生や仲間に誘われ、初めて行った箱根の射会で優勝。みるみるその魅力にはまり、各地の道場に足を運んだ。「ありがたいことに、すべて素敵な仲間に恵まれたからね。歳も住まいも色々な、みんなのおかげで毎日が幸せなの」とほほ笑む。
▽弓道場に来ると国旗に「心からのあいさつ」をし、弁当を仲間と囲み夕方まで弓を引き、再び国旗にあいさつをして帰る。「人生のお手本なんです」と、彼女の周りには歳の離れた弓道仲間の輪が自然にでき、笑顔が絶えない。「体が動く限り続けたい」という弓道のほかにも、週に1日健康体操「自彊術(じきょうじゅつ)」にも通う。気になる食生活はというと「肉が好き」。野菜とのバランスが重要なのだそう。会話の端々に溢れる感謝の心。何度も「先生や仲間、まわりの人に感謝の気持ちを伝えたい」と話した。この心構えもきっと健康の秘訣。今日も静かな弓道場に、キリキリと弓を引く音が聞こえる。
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