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ZOOM UP ささら踊りと史実交えた絵本 吉岡勝作『ほほ笑みのメリーゴーランド』

社会

公開:2021年7月9日

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新作の絵本を手にする吉岡さん
新作の絵本を手にする吉岡さん

 ▽厚木市温水在住・吉岡勝さん作の絵本『ほほ笑みのメリーゴーランド』(絵/宮嶋友美さん・文芸社1320円)が完成し、書店に並んでいる。昨年暮れに57歳で絵本作家デビューを果たし、今作が第2弾。ファンタジー作品だった1作目に対し、今回は地元厚木の伝統芸能をモチーフに、第二次世界大戦中の県内・市内で起きた実話を交えて描いた子どもだけでなく大人にも読んでほしい意欲作だ。

 ▽表紙に「戦時中神奈川県の片隅でこんなにも悲しい出来事がありました」と書かれた本は、「それはすぐに夢だとわかった。どことも知れない場所で、数人の女の人が輪になって踊っているのだった。皆、ゆかたを着ている。肩に赤いたすきを回し、足にはぞうりをはいている。そして手には竹だろうか、小さな音の鳴るものを持っている。女の人たちは輪になり歌を歌っていく。私の目は輪の中の一人の女性にとまった」というささら踊りの描写と思われる表現から始まる。主人公の母親との七沢温泉への旅行とともに繰り広げられる思い出話に、実際にあった七沢温泉での外国人抑留の出来事などが絡まり、不思議な話が展開されていく。

 ▽吉岡さんは、小宮まゆみさんが書いた『敵国人抑留―戦時下の外国民間人―』と10年ほど前に出会い、七沢の抑留所の事実を知る。そこから題材として眠らせていたが、2年くらい前にささら踊りと結びついてから急に動き出す。当初は出来るだけ事実を伝えたいと様々な書物、文献を探したり、小宮さんに取材。また地元七沢で当時のことを知る人を探した。しかしそれ以上の事実は得られず、絵本という形で表現することに。吉岡さんは「歴史的事実とは一部異なる描写もありますが、お許しください」と気持ちを吐露している。

 ▽今作について、「子どもたちには昔の話はつまらないかも知れないけれど、悲しい事実から目を逸らさず戦争の愚かさを知り二度と起こしてはいけないという思いを持ってもらえたら、二度と起こることはないのではないか。そのためにこの本が少しでも役に立ったら」と話す。絵本を読んだ長谷ささら踊り盆唄保存会の井上真弓会長は「七沢の外国人抑留のことは知りませんでしたが、素敵な絵本に取り上げていただき光栄です。ささら踊りをはじめ郷土芸能は後継者不足なので、郷土芸能の事も特に子どもたちに知ってもらい興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。
 

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