厚木高校野球部が「県のまなびや基金」で募った資金で、ピッチング・バッティング測定用の新機材「ラプソード」を導入した。「データサイエンス野球」を掲げ県選手権ベスト8を目指す。
この基金は、県立学校がみずから策定した事業プランに対して寄付を募るクラウドファンディングに近い仕組みで、わずか3カ月で約160万円が集まった。
研究重ねて盗塁も向上
同校は文科省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定され、仮説検証型の取り組みを授業や部活で実践する。野球部は「データサイエンス野球」と呼び、これまで「光電管」と呼ばれる装置でスライディングのスピードを測り、盗塁技術も向上させてきた。新機材の「ラプソード」はプロ球団や米大リーグなどで使われているが、部活で導入している高校はまだ珍しい。投球打球のスピードや回転軸、回転数などをカメラとレーダーで計り、データを蓄積。より多角的な分析が可能になる。
上達が数値に目標見える
「選手が『上手くなった』と思っていたのに、指導者はそう見えない場合もある。数値化することで成長を可視化できるのでは。見えない目標には頑張りづらいが、どれほど伸びそうか分かれば、やる気につながる」(熊倉周平監督)。
厚木高校は過去10年でベスト16に3回進出している。まなびや基金の企画書で示した目標は、2023年までに県選手権大会ベスト8の達成、そして生徒が課題発見・解決する力を養うこと。この基金を活用して「目標」が達成できたかどうかも公表される。
ちなみに春の大会は地区予選を通過して県大会は2回戦で敗退した。目標まであと3回勝ち進む必要がある。ラプソードは導入したばかりで、今後本格的に活用してチーム力の底上げにつなげる方針だ。
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