厚木市最大のイベント「あつぎ鮎まつり」が3年ぶりに復活する。8月6日(土)と7日(日)に開催される夏の風物詩を前に、キーマンに思いを聞いた。
▽コロナ禍による空白の2年間を乗り越えて開催する「あつぎ鮎まつり」。先頭に立ってイベントを取り仕切る中村幹夫実行委員長は「3年目も中止となったら、『昔はそんなイベントもあったね』と言われ、やがて忘れられてしまうかもしれないという危機感を持っていました。今年開催できることは、とても感慨深い」と思いを語る。
▽開催にあたって、第一に取り組むのが感染症対策。メーンイベントの大花火大会は時間を短縮、露店は約3割縮小し、食べ歩きを禁止する代わりに飲食スペースを設けるなど、柱となる企画を極力残し、バランスに配慮した。「お祭りはやっぱり日本人の胸を躍らせるよね」と満面の笑み。
▽しかし、開催を決断するまでは、心の中で激しい葛藤があったという。悩んだ末に、自身が会頭でもある厚木商工会議所の例会でこう聞いた。「周りに気を使わないように目をつむり、開催について正直な気持ちを答えてほしい」。参加したのは第一線で活躍する経済人たち。答えは9割以上の人たちが「開催」に手をあげた。この瞬間に、迷いは消えた。「自信につながりました」と、晴れやかな表情で振り返る。
▽厚木市観光協会の会長でもある中村実行委員長。鮎まつりの開催は、この先のイベントにも大きな影響があると語る。「あつぎジャズナイトやにぎわい爆発!あつぎ国際大道芸など、厚木を盛り上げるイベントが連鎖的に再開されるはず」と先を見据える。商工会議所に入り、鮎まつりと深くかかわることで、「仕事では会えなかった多くの人たちと触れ合い、人脈が一気に広がった」と自身にとって思い出深いイベント。「コロナが終わったわけではありません。ですが、感染対策が当たり前になり、詳しい情報やワクチンが広がるなど、コロナへの感覚は大きく変わってきたと感じています。ウイズコロナの時代に、イベントも変わっていくのではないでしょうか」。大きな期待と緊張感を持って、開幕まで邁進する。
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