愛川町田代の旧JAの跡地に6月15日(土)、生鮮食品などを販売する「田代みんなの館(田代457の1)」がオープンする。店舗の減少で買い物に苦労する高齢者の助けと、地域を元気にしたいという思いで田代在住の小島輝征さん(81)夫婦が始める。
田代地区にはかつて飲食店や八百屋、鮮魚店、洋品店など38店舗の店が加入する商店会があり、買い物客などで賑わいを見せていた。
しかし、近隣への大型店舗の出店などが続くと徐々に客足は減り、廃業する店が出てきた。若い人たちは外に働きに出るようになり2014年、後継ぎの問題も拍車をかけ同商店会は解散した。唯一今も営業する三河屋田代肉店の鈴木俊子さん(79)は「高齢者が増え、買い物に行きたくても行けない人も多いのでは」と、現状を憂う。
地域の人のために
小島さんは半原出身。27歳の時に田代にあるカミコー株式会社を設立した。その後、観光バス事業を立ち上げた。現在は、娘・息子が事業を引き継ぎ、今は趣味の木工製品作りを行っている。
転機が訪れたのは昨年9月。「愛川田代局前」バス停隣にある旧JAの建物や倉庫が売りに出されていることを知り「ここで生鮮食品の販売や飲食店を開いたら地域の人ためになるのでは」と考えた。「会社をやっていた時から、地域の衰退に危機感を持っていた。しかし何をすれば良いのか分からなかった。建物の話を知った時、瞬時に閃いた」と振り返る。
飲食業や生鮮食品等の販売は未経験の小島さん。商工会の担当者から地元の農家を紹介してもらったり、看板業社から飲食業経験者の紹介を受けるなどサポートを受けた。営業許可申請などは夫婦で進めてきた「助けを借りてここまでこられた」と感謝する。
まず野菜類やパン、調味料などの販売を行い、準備が整い次第カフェをオープンする予定だ。将来は2階をフリースペースにして地域の人に開放する計画もある。田代肉店の鈴木さんは「相乗効果で地域が元気になれば」と期待する。
店名の「みんなの館」は、地域の人に使ってほしいという願いを込めて小島さんが付けた。「ここに店があって良かったと思ってもらえる運営を行っていきたい。子どもから高齢者まで世代を問わず、気軽に集える場所になれば」と話す。
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