荻野新宿交差点で73年間市民を見守ってきた厚木警察署下荻野交番が新築移転―。移転先は、旧交番から北西におよそ50m離れた旧412号線沿い。住所は下荻野1392番地の1に決まり、2月18日から運用を開始した。
この交番の移転は、2009年に小中自治会と新宿自治会を対象に開かれた「荻野地区自治会長と市長とのまちづくりフリートーク」の中で、当時小中自治会長だった高足貞治さんが言及。新しい交番の移転先について、老朽化もあり、「建て直すときは、荻野新宿交差点から離れない近場で建設を進めてもらえないか」と意見・要望を出してきた。地元自治会と県が連携し、3〜5カ所の候補地から、現在の交番設置に適した場所を選んだ。県が建設費2740万円を負担し、土地は地元の地主から借りて建設。近隣の住民側からも「いつ建て直すのか」といった声が数多く寄せられていた。また、交番に直接訪ねてくる人もいたと勤務する警察官は話す。
新築した交番は、鉄筋コンクリート2階建て。敷地面積74・90平方メートル。延床面積は60・99平方メートル。3交代制で2〜3人が駐在する。建物は、警察官の制帽をモチーフにした。照明はLEDを採用。また、市内で初めて屋根にソーラー発電パネルを設置し、バッテリーに蓄電する充電機能を備え、災害時や停電時にも万全を期す。県下でもこの設備は初めて。
歴史ある交番が移転
1880年、小田原警察署荻野分署が日吉神社境内に設置された。1893年、同分署の厚木町移転にともない、荻野村下荻野巡査駐在所になった。腐朽により旧交番に移転新築したのが1940年。1979年の建て替えを経て、1989年交番に昇格した。
駐在所時代に約16年間勤務した三田在住の渡邉恵雄(しげお)さん(75)は「一年中一人で事件や事故を処理してきた。地域の人は愛着を持ってくれて話しやすい雰囲気だった。犯罪捜査に対しても協力的で良かった」と当時を懐かしく振り返る。
移転した交番の開所式は2月27日(水)、小林常良厚木市長や鈴木美仁厚木警察署署長らが出席し、荻野新宿老人憩いの家で開かれる。その後、交番に場所を移し、内覧会が行われる予定。
荻野新宿は江戸時代、宿場町として栄えた。当時から交通量が多く、現在も大学や大手企業が近くにあり、交通の要所となっている。荻野地区の”新しい顔”が誕生し、さらなる体感治安の向上と、犯罪への抑止が期待される。
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