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新春特別取材 わんダフルライフ再び 車椅子制作販売『ポチの車イス』

社会

公開:2018年1月1日

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車椅子を初めて装着した、コーギーのクリム君
車椅子を初めて装着した、コーギーのクリム君

 「愛犬がうれしそうに走る姿をもう一度―」犬用車椅子の制作・販売をしている「ポチの車イス」(市内下川入)。日本全国の飼い主からお礼の手紙や写真が続々と届いているという。同社の木口光儀代表(59)に、話を聞いた。

 犬や猫などペットの寿命も延び、高齢化している。飼い主とともに同社を訪れるのは事故や病気、高齢により自らの足で歩けなくなった犬たちだ。

 木口さんが作る車椅子は、それぞれの状態に合わせて作るフルオーダー。軽量なアルミパイプとベルト、スポンジなどでできており、可能な限り軽くしつつも十分な強度を保ち、犬の負担にならないよう工夫がなされている。「ペットは家族の一員」。うれしそうに走る愛犬の様子は口コミやインターネットで広がり、木口さんの作る世界で一つの車椅子を求める人は、北海道から沖縄まで後を絶たない。

”家族”のために「もう一度、走らせてあげたい」

 もともと木口さんは、失われた身体の一部や機能を補う人間用の装具を作っていた。そのかたわら、歩けなくなってしまった近所の犬のために作った車椅子。スチールや塩ビ管と、高齢者用歩行器の車輪を取り外して作ったところ、口コミで広がっていった。「犬用車椅子の需要がこんなにあるのなら仕事にできるのでは」と、家族に相談もせずに転身したのだった。

 当初は1台作るのに1週間かかっていた。試行錯誤を重ね、犬の体や病気について勉強もした。今では最短30分ほどで作り上げ、月に60から80台を制作している。息子の達也さん(29)も、昨年の4月から正式に社員に。二人三脚で忙しい毎日を送っている。

「犬が笑うんだ」

 取材日の朝、車椅子制作キャンセルの電話があった。「昨日、わんちゃんが亡くなってしまったようです」とうつむいた木口さん。車椅子を求めてくるのは、体が弱った犬が多いため「稀にある」という。それでもめげずに「車椅子に乗って動けるようになると、わんちゃんの顔が変わるんです。まるで笑っているみたいに。これがうれしくて」と2人とも満面の笑みで話す。再び走り回る愛犬を見て、喜びに泣き崩れる飼い主も多いという。

 同社の車椅子は、体重6kgのダックス用で142gと、とても軽い。素材を自身の足で探し、犬種や個体によって体に沿うようにフレームを曲げ、転ばないように車輪はハの字でベアリング付き。拡張性が高く、足を乗せるバンドが後付けでき、体重の増減による微調整も簡単、2輪だけでなく4輪にもできる。

 車椅子は補助目的だけではない。少しでも足を動かすことでリハビリ効果があり、以前のように歩けるようになる犬もいるという。

たくさんのありがとう

 取材時、平塚から車椅子の調整に来ていた河間さん。コーギーのかもめちゃん(14)が病気になり、半年前から後ろ足が動かなくなってきたという。「歳だしそんなに長くはないかもしれないが、できる事はしてあげたい」。

 同じく後ろ足が動かなくなってきたコーギーのクリム君(11)を連れて、車椅子を作りに来ていた吉田さん夫婦(秦野在住)は「クリムにとても癒してもらった借りを返さなくては。家族だから」と話す。1時間経たずに完成した車椅子に乗ったクリム君は、最初こそ戸惑っていたものの、すぐに事務所内を走り回れるように。「良かったねえ」とうれしそうな吉田さん。「ありがとうございました」と深々と頭を下げていた。 「

 「飼い主さんも喜んでくれるし、笑ったわんちゃんが、また可愛いんだ」と木口さん。事務所にはたくさんの”笑顔のわんちゃん”の写真と、感謝の手紙などが飾られている。

 問合せは同社【携帯電話】090・5995・9502へ。

慣れた手つきの木口さん
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利用者から送られてきた写真や手紙。これはほんの一部
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