公衆衛生の向上に尽力した人を表彰する2020年度神奈川県優良衛生技能者・優良従業員表彰がこのほど発表され、69人が受賞。厚木市からは、優良衛生技能者に浅井理容店(厚木市戸室)の店主・野上悦子さん(72)が選ばれた。
▽理容学校を卒業してから約半世紀、理容師として人生を捧げてきた。県から表彰されるのは初めてといい、「長くやっているだけ。元気にしてたからいただけた賞かな」と謙虚に語る。
▽厚木市で生まれ、理容師だった父の背中を見て育った。幼い頃から父が働く店で手伝いをしており、「お客さんがみんな可愛がってくれたので、働くのが楽しかった」と振り返る。高校2年のときに、父親が「浅井理容店」を開業。高校卒業時に、「とりあえず資格だけは取っておこう」と理容学校へ進学した。卒業後は、自然と父の店「浅井理容店」を手伝うようになった。
▽24歳で結婚し、2人の子どもに恵まれた。「主人は会社員だったので、土日は子どもをみてもらった。今でいう”イクメン”だね」とお茶目な笑顔。子どもたちは保育園に預けていたが、休みの日はできるだけ子どもと過ごすようにしたという。1991年に父親が他界してからは、ひとりで店を切り盛りしてきた。「親子3代で通ってくれているお客さんや、千葉や埼玉など遠方から通ってくれる人もいる。本当にお客さんに恵まれている」としみじみ。
▽寿町の自宅から、毎日自転車で通っている。「大山を見ながら通うのが好き」と笑う。理容師の魅力を「いろんなお客様が来られるけど、みんな人生が違う。お客さんと話していると楽しいし、吸収できることも多い。好きじゃないとできない仕事。健康でいる限り続けていきたい」。そう話す表情は輝き、生き生きとしていた。
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