12月11日から20日は、「年末の交通事故防止運動期間」。新型コロナウイルス感染症の影響で減少した自動車の交通量も回復傾向にあるなか、厚木警察署管内では事故件数が減少傾向だが、死亡事故は昨年よりも増加している。年末を無事故で過ごし、笑顔で新年を迎えるため、交通事故防止に取り組む厚木警察署・押部修一署長、交通安全協会・笹生準一会長、安全運転管理者会・真田辰雄会長、青少年交通安全連絡協議会・福山忠俊会長に話を聞いた。
神奈川県内での今年の人身交通事故件数（11月30日現在・暫定値）は、１万９４８０件で前年比プラス１０５７件。事故件数が増加し、死者数は昨年よりも１人多い１２６人だった。
厚木警察署管内では、事故件数（同）が６９８件で前年比マイナス24件と減少している。しかし、管内の今年の交通事故死者数は７人で、昨年から４人増加した。押部署長は「新型コロナウイルス感染症の影響で一時は自動車などの交通量が減少していましたが、現在は回復しています。残念ながら今年も管内では交通事故により７人の方が亡くなっています。自動車と人、自動車と自転車の事故は死亡事故につながりやすいので、交差点や横断歩道などでの歩行妨害や一時停止違反など、歩行者や自転車の安全に重点を置き、交通事故防止に取り組んでいます」と話す。
交通安全協会の笹生会長は「今年も交通安全指導員をはじめ、多くの方にご協力いただいて本当に助かりました。管内での事故件数は減っていますが、これからの年末年始は事故も増加する傾向にあります。様々な形で地域の皆様への広報を強化して、交通安全を訴えていきたい」と話す。
管内の多くの事業所が加入する安全運転管理者会の真田会長は「感染症対策として大規模なイベントや活動が難しいなか、今年度は子ども達に交通安全の大切さを伝えるＤＶＤを作成しています。今後、幼稚園や保育園をはじめ、企業にも配布する予定です。一件でも悲惨な事故を減らしたい」と話す。
飲食店での会食も増える時期。年末の交通事故防止活動では、飲酒運転撲滅も大きなテーマとなる。「今年も本厚木駅周辺を中心に飲食店を訪問し、飲酒運転防止を呼びかけます。飲酒運転は大きな事故に繋がります。誰かひとりは運転できるようにお酒を飲まない『ハンドルキーパー』の取り組みをこれからも呼び掛けていきたい」と、青少年交通安全連絡協議会の福山会長は語る。
厚木警察署や厚木市、愛川町、清川村などの行政、各団体では、交通事故ゼロを目指して今後も啓発に取り組んでいく。押部署長は「事故は、一瞬の気の緩みで多くのものを失ってしまいます。年末はどうしても慌ただしくなってしまいますが、そんな時だからこそ、時間と心にゆとりを持って運転していただきたい」と呼びかける。
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