東日本大震災の被災地支援を行うソーイングサポート・よこすかの代表 富本 羊子さん 金谷在住 67歳
異色の支援に迷いなし
○…東日本大震災で被災した東北3県へ裁縫を通した支援活動を行っている。物資が行き届いた今、「生活の基盤の一部になれば」と、技術や機械がなくても作れる布製のぞうり作りを指導。完成した商品の販売の橋渡しをしている。生産活動をすることで目標がうまれ、自然と生きることへの力が出てくるのだ。
○…「自分には何ができるのか?」被災地の凄まじい光景を映像で見るたびに、自分が”したいこと”と”できること”の狭間で歯がゆさを募らせていた時、手作り腹巻を贈る計画に誘われた。得意の裁縫が活かせると賛同し、仲間と2000枚を縫製。寒い日が続く東北で重宝され、このような支援の形もあるのだと知った。そして、この熱意を絶やしてはいけないと24人の仲間と「ソーイングサポート・よこすか」を自ら発足させ、被災地へ4回赴いた。
○…震災後、初めて東北に降り立ったのは8月。5ヵ月が経過しても、今を生きるのが精一杯。裁縫をする時期ではないとの意見もあったが、きっと同世代の人たちの心の支えになれると南三陸を訪ねた。そんな不安をよそに40人の参加者が温かく迎えてくれ、皆が一心不乱に布に向き合った。久々の憩いの時間に「こんなに笑ったのはいつぶりかしら」と充実感で満ちた表情--。これが今日までの活動の原動力になっている。「今後もこれまでと変わらず、求めてくれる限り続けたい」と、今月末も被災地で活動を行う。
○…あの未曾有の震災からまもなく1年。活動を通して繋がった人の縁は何にも代え難い財産となった。津波にのまれ、家を流され、大切な人を亡くした人たちと時間を共有したことで既に気心の知れた仲間のような存在だ。「私達の絆もぞうりの編み目のようにしっかりと育まれています。ちょっとやそっとでは解けませんよ」と作品を手に、茶目っ気たっぷりに話す。その1目1目に温かい想いを託し、早い復興を祈る。
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