明日から始まる沖縄イベント「いーちゃ・イチャフェスティバル」の実行委員長を務める 神山 長明さん 米が浜在住 46歳
「なんくるないさ」精神で
○…「いちゃりばちょーでー」とは、沖縄の方言で『一度会ったら皆兄弟』という意味。イベント名「いーちゃ」には、そんな沖縄人の大らかさが垣間見える。発起人であり、横須賀と故郷の橋渡し役を担う。今回で8回目。郷土料理や泡盛、音楽イベントが楽しめる会場には昨年、約1万5000人が来場した。運営スタッフ50人中、沖縄出身者は片手で数えるほど。ほとんどは横須賀市民だ。「故郷関係なく、協力しあって成り立っている。交流を楽しみたい」
○…沖縄県那覇市の出身。32歳のとき、結婚を機に都内から妻の故郷である横須賀に移った。「当時は何にも知らなくて、横須賀と横浜の区別すらついていなかった」と照れくさそうに話す。飲食業に携わる中で10年前、「横須賀には沖縄料理店が少ない。あなたのルーツを活かせるお店を作ってみたら」という妻の一言に後押しされ、大滝町に店を構えた。「食べ物だけじゃ沖縄の魅力は伝わらない」と店内で三線教室や沖縄音楽ライブを開催、徐々に規模を拡大したのがこのイベントだ。
○…ただ「楽しい」だけでなく、両都市の文化交流や観光振興を軸に据える。横須賀の物産展ブースや、沖縄県でまだ認知度の低い離島の観光案内所などを設け、互いの郷土理解に繋がる工夫を施す。「沖縄を単なる観光地として捉えるのではなく、もっと身近に感じてもらえたら」
○…沖縄人独特の「なんくるないさ(なんとかなるさ)」の鷹揚さが場を和ませる。本業のかたわら、両自治体の後援や京浜急行の協力を取り付け、2012年には「本土復帰40周年記念」とする拡大版も開いた。地道な宣伝活動の甲斐あって、今年に入り逗子や三浦から”出張版”のオファーも来るようになった。「いつかは沖縄で、神奈川県の方言をもじった『”いーじゃん”フェスティバル』を開けたらな」。先の楽しみは、まだまだ尽きない。
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