8月1日からCafé&Barギャラリー55(根岸町)で個展を開く天井絵師 植松 喬さん 平作在住 72歳
出遭(であい)を探す癒しの「絵師」
○…「天井絵師」。名刺の肩書きに興味をそそられる。天井絵(画)とは、寺院や宮殿などの天井に装飾として描かれた絵画。3年前、岩手県の太白(たいはく)山高林(こうりん)寺の天井絵を描き改めた。もとは江戸時代に描かれたもの。新たな歴史を刻むことにプレッシャーを感じながらも52センチ四方を74枚(うち10枚は復元)、約1年かけて描き上げた。天井を見上げると「四季の花」が可憐に咲いている。今回の個展ではそのミニ色紙のほか、日本画や透明水彩画など十数点を並べる。
○…絵を描き始めた記憶をたどると、小学生の頃。「体が弱かったので、家でよく絵を描いていました」。当時から大人になったら個展をやりたいと思い描いていたという。しかし、衣笠の時計店で働き始めてからは仕事に追われ、時間も取れなくなった。その反動か、10年前に退職してからは「爆発したように」描き始めた。日光、那須、オランダの風車…。旅先でスケッチすることも多い。「これからは横須賀の風景も描いてみたいです」と展望を語る。
○…「画家」ではなく「絵師」と名乗るのは、自分の作品を人に見てもらうことを大前提としているから。「絵は難しい」と苦手意識をもつ人には、「(自分の作品は)絶対に分かる絵だから」と紹介している。被写体の姿をそのまま見せることを常に意識。さらに、描いている時の気持ちや状況など、ちょっとしたエピソードも文章にして添えている。「個展では『癒し』をテーマにしています」。見てくれる人の心が少しでも和むようにとの気遣いを見せる。
○…「出遭(であい)は我(わが)人生」。格言を手帳に勢いよくしたためている。書道2段というだけあって達筆。天井絵を手掛けたのも、親戚が神社仏閣の塗装業者に勤めていることが縁だという。人との出遭いを何よりも大切にしながら、これからも一人でコツコツと絵を描き続ける。「夢はオークションをやることです」。希望に満ちた思いを語ってくれた。
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