科学の鉄人2012に選ばれ、夏休みには市内でサイエンスショーを行う 益田 孝彦さん 湘南鷹取在住 52歳
生徒思う科学の伝道師
○…観客を楽しませながら科学実験を披露するサイエンスショー。全国各地でその面白さを伝えている。子ども達の理科離れが叫ばれる昨今、科学技術をより身近に感じて興味関心を持ってもらうのが狙いだ。その技量を競う「科学の鉄人2012」で第9代鉄人に。07年、08年に続き3度目の栄冠だ。
○…幼いころから科学一筋かと思いきや、「歴史や世界地理が大好きで、高校生の時には社会科の先生になりたかった」と意外な回答。しかし世界で初めて波力発電に成功するなど数々の発明をした海洋開発技術者の父親に反対され、大学は理系に進学。「世界中の気象や環境についての知識は、理科教師になった今でも大いに役立っている」と話す。
○…現在は、三浦市内の中学校で教頭を務める。昨年は1年生の数学も担当した。「授業の面白さは『わかる』こと。つまらない授業はしたくないから、わからない説明はしたくない」と言う。授業では「わからない」と正直に申し出る生徒を褒め、わかるまで徹底的にフォローする。だが今年は教頭業務に専念するため授業を受け持っていない。生徒に直接教える機会がなくなってしまったことを「やっぱり、どんなに忙しくてもやりたかった」と心底残念がる。また教え子の結婚式に招待された際には、引かれあう磁石の両極を、惹かれあう新郎新婦に見立てたサイエンスショーを何度か披露している。「新郎新婦から喜ばれただけでなく、他の招待客にも楽しんでもらえたと思う」と笑顔になる。どこまでも生徒を思い、楽しませることも忘れない先生だ。
○…今年の夏には数多くのショーをこなす。横須賀市内でも開催を予定している。「つまらないショーでは、途中で観客がいなくなってしまう」ステージに向けられる期待に満ちた眼差しと、子どもの正直な反応に耐える一方で、取材時にカメラを向けるとしきりに照れる姿が印象的だった。
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