三浦一族研究会の会長を務める 小林 安雄さん 長井在住 84歳
「歴史研究はまるで宝探し」
○…「研究」と一口に言っても講演会や史跡めぐりの開催、機関誌発行、遺稿探しなど、三浦一族に関するあらゆる歴史の情報収集を行っている。会が発足して17年、会員は横須賀市民のみならず全国に散らばる三浦一族の子孫なども擁し、今では400人以上。一郷土史研究の枠に留まらず年々広がりを見せている。今後の夢のひとつに「大河ドラマ化の実現」を挙げ、日の目を見る時を今や遅しと待ちわびる。
○…生家(三浦市南下浦)の周辺が三浦一族縁の地だった。関連する史跡や代々語り継がれてきた逸話などが数多く存在し、地域文化に興味を抱いたことが今日の研究の一歩となっている。歴史を紐解けば地元縁の偉人たちが武家政治に大きな役割を果たしていたことを知り、鎌倉幕府の立役者であった史実に誇りを持った。その楽しさに目覚めたおかげか「歴史の勉強も割と成績が良かったんですよ」と少年時代を懐かしげに振り返ってみせた。
○…歴史研究に携わる者として後世への伝承は大切な役割のひとつだ。難解な日本中世史でも少しの興味が理解の入口となるとし、地域の歴史と捉えてみてはと提案。「例えば芦名、太田和、長井、佐原などの地名は三浦一族の名字が由来。それだけで少し近くに感じませんか」と問いかける。横須賀の歴史イメージと言えば基地や黒船来航を思い浮かべる人も少なくない。そんな状況に憂色を浮かべ、「今後は小・中学校への学習協力も視野に入れたい」と意欲を見せた。
○…「歴史の掘り起こしはまるで宝探しのようだ」取材中、噛み締めるように何度もそう繰り返す。図書館で文献を読み耽ったり、仲間同士で意見交換をしながら見識を深める日々を送る。研究成果は簡単には出ないが、だからこそ新たな発見にはいつも胸が躍る。三浦一族に魅せられて半世紀以上。齢八十を超えても心にときめきがある限り、探究欲は尽きることがない。
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