映画監督として地域発信型の映画制作を構想する 矢城 潤一さん 舟倉在住 52歳
地域の発信、映画の出番だ
○…「オール横須賀で地域発信型の映画を手掛けてみたい」。同窓生を前に半分本気、半分冗談で発した言葉が現実のものとして転がりはじめた。挨拶代わりに企画された最新作の凱旋上映会には800人が来場。まずまずの成功をおさめた。次のステージとして市民キャストや脚本家を養成する映画塾を立ち上げる。最大の壁である資金集めも同時に進めながら「2年後を目途にクランクインしたい」
○…自分の意思でもあるようだが、何かに突き動かされているような不思議な感覚もある。本人いわく「タイミング」。都市イメージの向上に躍起な吉田雄人市長が”選ばれるまち”を掲げているが、「選んでもらうためのプレゼンが必要」と力を込める。70年代、宇崎竜童さんや山口百恵さんが歌や演奏で横須賀的トッポさを全国に知らしめたが、「それに続くものが空白になっていないか」。この街の魅力をエンターテインメントに昇華させて再発信する。映画の出番なのだ。
○…大学卒業後、成り行きで映像業界にもぐり込んだ。助監督として経験を積み監督としての出番を待っていた矢先、所属していた制作会社が倒れた。途方に暮れたが、自己資金をかき集めてデビュー作を完成させ、評価を得た。「食えないけれど、やりたいことをやっている」。ありふれた人間模様や人生の機微を描く手法は現代の小津安二郎と称される。これまでに3本。商業的成功とは別の次元で秀作を生み出してきた。
○…年間300本近くの作品が日の目を見ずにお蔵入りになるという映画業界の厳しい現実がある。それでも、横須賀で映画づくりに挑む価値はあると主張する。地域活性に肝要なのは挑戦をおもしろがる発想。「右往左往しながら楽しんでいる姿は周囲に伝播する」。シナリオはすでに書き始めている。ドブ板通りを舞台にした若者の群像劇だという。シャイで格好つけで天邪鬼。そんな須賀っ子の気質も表現するつもりだ。
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