平成25年度かながわ部活ドリーム大賞の『マネージャー賞』を受賞した 岸樺音(かのん)さん 長井在住 18歳
勝負支える裏方に魅了
○…県内公私立中高の部活動で、優れた取り組みを行う団体や個人に贈られる「かながわ部活ドリーム大賞」。湘南学院高校の硬式野球部マネージャーとして活動した3年間が評価され、今月上旬にマネージャー賞を受賞した。「まさか自分が」高校生活の最後に届いた思いがけない吉報に、涙を流して喜んだ。
○…「めざせ、甲子園出場」約190校が頂点を争う神奈川予選は、全国一の激戦区。同部では100人もの球児たちが憧れの夢舞台をめざして汗を流す。練習は連日夜まで行われ、土日は大会や遠征に参加。マネージャーも帯同し、練習の準備・片づけ、洗濯や試合のスコア係など献身的にサポートする。友人たちが青春を謳歌していた放課後、イベント、誕生日、夏休み…その全てを部活動に捧げた。「選手の笑顔が何よりの喜び。部活が青春そのものでした」と振り返る。
○…マネージャーは、スポットライトの当たらない裏方仕事。”縁の下の力持ち”の言葉の如く目立たない存在だ。しかし、一度だけ表舞台に立つ機会に恵まれた。昨夏行われた「全国高校野球選手権神奈川大会」開会式の司会進行を任されたのだ。「どんな形でも野球部を支えるのが私の役目」と快諾。約2万人の観衆が見守る中、無事に大役を果たした。「噛んでしまったので出来栄えは80点」とはにかむが、この経験もマネージャー賞受賞の後押しとなった。
○…もとは人見知りで、人と接することが苦手な性格。入部も「コンプレックスの克服になれば」と決めたほどだった。チームスポーツは円滑な人間関係が要。コミュニケーションの大切さを実感すると、苦手意識も自然と消えていた。それどころか、この経験を糧に将来は人を支える仕事に就きたいと思うようになった。来月には高校を卒業、大学では心理学系の学部に進む。新たな自分を発見させてくれた3年間は、かけがえのない宝物だ。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>