三浦半島の海を描き続け、6月3日から浦賀のギャラリーで展覧会を行う 宮崎 眞弓さん 東浦賀在住
海の響き 絵で表現
○…12年前、知人に案内してもらった浦賀の海に惹かれ、都内から移住を決意。以降、海の中をモチーフに、幾重にも色を重ねた抽象画を描いている。市内で2回、いずれも海のそばに居を移した中で、三浦半島の海がもつさまざまな表情に魅了された。西浦賀から臨む東京湾、秋谷の立石海岸からの夕日、東浦賀の湾を隔てた対岸の街並み…。「同じ海なのに見える景色がまったく違うの」。発表の場は都内が主だが、「地元の海はやっぱり地元の人に見てもらいたい」。来月から行う展覧会では、力作約20点を並べる。
○…東京の下町育ち。小さい頃、近所の美大生がクリスマスにくれたクレパスセットの綺麗さに感激し、一日中画用紙に向かった。「靴下に入ったお菓子より嬉しかった」。高校では美術科絵画コースに進み、芸術学部のある大学を卒業。「描き続けたいなら絵具代を稼がないと」。建築会社やアパレル業界を経て、30歳を前に絵描きを生業とする決断をした。
○…40歳半ばを過ぎたある日、横須賀海上自衛隊に勤める友人に言われた何気ない一言。「海を描くならまず潜らなきゃ」。見当外れなアドバイスに面を喰らったが、「”海のプロ”がそう言うのなら」。その年の暮れには何かに導かれるようにスキューバダイビングの資格を取っていた。いつも遠くから眺めるだけだった海の中はまるで「宇宙のよう」。無我夢中で飛び込んだ先で見えた世界は、自身が今日まで描く「海響(うみひびき)」シリーズにより深い重厚感を与えてくれた。
○…窓から東浦賀の湾を見下ろす自宅のアトリエと愛猫がお気に入り。さざ波に耳を傾けながら、マイペースに活動を続ける。同窓生の作家や旧友らが集まる展覧会は「同窓会に似ている」という。「せっかく遠方から来てくれるんだから、横須賀そのものを好きになってもらいたい」。人と土地をアートで結べるよう、絵筆に願いを込める。
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