県立海洋科学高校教諭で、国内初の高校生水中ホッケーチームを立ち上げた 荻原 佑介さん 長坂在勤 26歳
誰も知らない競技に挑む
○…国内の競技人口が200〜300人ほどのマイナースポーツ「水中ホッケー」。今年7月、自身が教鞭を取る県立海洋科学高校の水泳部内に、全国初の高校生チームを立ち上げた。今月17日から開かれる日本オープンで、初めての試合に挑む。発足から2カ月、道具の使い方から始まり、”基礎の基礎”から生徒たちに教えてきた。「まずは1勝。欲を言えば優勝」と自信をのぞかせる。
○…自身も現役で活躍する選手の一人で、来年カナダで開催される世界大会の日本代表候補に名を連ねる実力者。最初は大学の授業で存在を知ったのがきっかけだった。未知のスポーツに好奇心をそそられ、すぐに友人たちと学内に部を立ち上げた。新たに築いた伝統は、今も受け継がれている。「初心者に教えることには慣れている」。大学時代、後輩に指導した経験が現在に活きている。
○…練習試合の相手がいないなど、マイナーであるが故の苦労は多い。特に問題なのが、道具の調達。専用のスティックは国内に出回っておらず、輸入するしかない。予算面での余裕がない中で「それなら、自分で作ってしまえ」と木材を削って、部員全員分のスティックを一人で作った。環境整備も手さぐりだが、「生徒に合わせて大きさや形を変えることができる」と笑顔を見せる。困難をプラスに変える大胆さが、チーム発足の原動力となった。
○…生徒たちが出場するのは18歳以下の大会。だが、参加者のほとんどが小中学生だ。高校での練習環境がないため、やむを得ずやめていってしまうのが現状。「卒業後も続ける場所があるということを知ってほしい」。大会に参加するのは勝つことだけが目的ではない。「横須賀はダイビングが盛んな下地がある。きっかけさえあれば」と国内初の高校生チーム発足が、その機運の高まりにつながることを期待している。「いつか教え子と世界を目指せたら」と夢を語った。
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