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外来種カメの生態 一冊に 「環境問題を身近な所から」

文化

掲載号:2021年2月5日号

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(左から)小林さん、礒貝さん
(左から)小林さん、礒貝さん

 ずしし環境会議まちなみと緑の創造部会がこのほど、冊子『逗子の水辺の生きものたち(外来種・田越川のアカミミガメについて)』を完成させた。「身近な川の生態系について知ってもらい、自分の住む地域や地球環境を考えるきっかけになってほしい」と関係者は話している。

 逗子の豊かな自然環境とまちなみを次世代にどう伝えていくかをテーマに研究や「さかな観察会」などを開催している同部会。2010年から田越川に生息する生き物の調査を行っており、その一環で外来種アカミミガメの目視調査を実施した。

 アカミミガメはアメリカ合衆国から南アメリカ北西部が原産。1950年代後半に幼体がペットとして輸入され、「ミドリガメ」の名称で販売されるようになると、60年代には野生で見るようになったという。水質汚濁に強く、河川や湖沼のほか河口の汽水域まで様々な水域に生息。雑食性で在来のニホンイシガメや水生動植物へ影響を与える可能性などから環境省・農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」では「緊急対策外来種」に指定されている。

 10年間の観察の結果、田越川の流路延長約6Kmのうち、愛染橋から田越橋までの3・7Kmの区間に現在、約30匹いることが判明。オスがメスに求愛している様子や産卵行動、幼体が生息している姿も確認し、繁殖していることもわかった。在来種のニホンイシガメは見ることができなかった。

 調査を担った礒貝高弘さんと小林宏一郎さんは「外来種が定着していることが分かりショックだった。天敵がいないため、今後長寿化し、増えていく可能性がある」と指摘する。

議論のきっかけに

 観察を続ける中で外来種のカメやコイにエサを与える市民や、それを楽しそうに見る親子の姿を見たという2人。「外来種が棲みつく要素になるだけでなく、エサ自体が環境汚染になる。未来を担う子どもたちにとって、こうした景色が当たり前になっては欲しくない」と語る礒貝さん。田越川のアカミミガメはいずれもペットとして飼育されていたとみられ、小林さんは「飼えなくなって可哀そうだから自然に放す、という行動が自然界のバランスを崩す。もとに戻すのはとても大変なこと」と警鐘を鳴らす。「この冊子は市民が足元の環境を観察した記録集。これをきっかけに、日常生活のすぐそばにある自然に目を向ける人が増えてほしい」とし、「今後も調査を続けていきたい」と2人は意気込みを新たにしていた。冊子は逗子・葉山両図書館のほか、同団体フェイスブックページでも公開している。

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