千年以上の歴史を刻む京都祇園祭で2014年以降、「蟷螂(とうろう)山」の山鉾巡行に連なる、小田原市本町の老舗製薬・製菓会社「ういろう」の外郎武社長。「交流を深め、京都と小田原のパイプを太くできたら」と願う武さんは、「蟷螂」で共通する静岡県森町とも、縁をつないでいる。
午前9時の巡行開始時、雨を心配して、蟷螂山の頂きにいるかまきりはビニールに覆われていた。33基の山鉾で唯一動くカラクリを乗せた蟷螂山の人気は絶大だ。途中ビニールを取り姿を現すと、途端に沿道から「かまきりさーん」と声援が飛ぶ。巡行に帯同していると、声がかかる度に誇らしい気持ちになってくるのが不思議だ。
2011年に初参加、14年以降は毎年、山鉾巡行の列に加わっている武さんは、「この地にあった祖先の足跡を探りたい。祇園祭へ社員とともに参加することは、伝統を守るためにも大切で、家業維持の戒めと励みになる」と考えている。4時間超の巡行は、熱気と多くの歓声とともに終了した。
※※※
祇園祭の余韻を後に、静岡県周智郡森町へ。見渡す限りの緑に包まれた長閑な田園風景が広がる遠州飯田山名神社でも、「祇園」の名を冠した祭りが、毎年7月中旬に行われている。
神社中央の舞台で披露される舞は、応仁の乱以前の京都で舞われていた風流舞の流れを汲むとされ、八種の舞のうちの一つ「蟷螂の舞」は、京都から小田原に移る途中、外郎家から伝えらえたといわれる。
国の重要無形民俗文化財に指定されているこの祭り、一言で表現するなら、「カオス(混沌)」と言えようか。日中町内を練り歩いていた屋台が、威勢のいい掛け声とともに横笛・太鼓をかき鳴らし、次から次へと境内になだれ込む。厳かに続いていた舞台の舞は、境内の喧騒がまるで聞こえないかのように粛々と続いていく。当方の驚きを横目に、町教育委員会の北島惠介氏は「賑やかで、けっこい(きれい)でしょう」と涼しい顔で笑った。
かつては祇園祭で舞われていたと伝えられる蟷螂の舞。時代考証や囃子方の不在など難関はあるが、「いずれは山鉾の後ろで舞ってほしいという願いはあります」。京都でそう話していた武さん。
京都と森町、そして小田原で伝統継承に携わる三者が初めてそろって顔を合わせたのは、今年8月6日のことだった。 =続く
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